香港STYLE Vol.36 露店街にて、思うツボ (2018.09.08)

香港スタイル生活

香港からこんにちは

 

東洋と西洋、新と旧、ハイとローが心地よくも混沌と混ざり合う香港。

モードな最新コレクションを纏うお洒落ピーポー。 スポーティ&クラッシックなヨーロッパリゾート風佇まいのマダム達。 TシャツビーサンにイッテQイモトのノリで香港経済を裏で支える、パワフルなアマさん達。 歩道に敷いたハンカチの上に時計やCDを並べて売る (売れんのか?!) 謎の商売人。。。 

そんな多彩で魅力的な人々が行き交う香港は、まさにカオスの宝庫です。

中でも香港らしいカオス、それは下町の露店街。

広東語で、路邊攤檔 (ロウビンタンドン)。 

 

 

香港島中心部の中環 (セントラル) や灣仔 (ワンチャイ) にも、高層ビルの隙間を縫うように小規模な露店街はいくつかありますが、規模、ローカル色ともに濃くてエキサイティングなのは、断絶九龍サイドの露店街。 

固定式、移動式、合法、非合法と、様々な露店が存在します。 ノーライセンス (非合法) 露店においては、警察はちゃーんと分かっているようですが見えなかったことに、、、というこれもきっと香港スタイル

 

九龍サイドの露店街でガイドブックにも載っているほど有名なのは、旺角 (モンコック) の「女人街」ですが、最近の旺角は開発と観光地化の波で、なんだか妙にスマート 

以前のような混沌とした香港らしさ、雑多な下町らしさがなくなってきているのは少々否めません。 

そこで目指すのはっ 

 

深水埗 (サムソイポー) へ GO!

 

九龍サイドにある、香港で1、2位を争う下町ローカル色の濃い、問屋街、露店街です。

雰囲気はちょうど、御徒町と谷根千と巣鴨と秋葉原を足して6で割って、大阪ミナミと千林商店街のスパイスを加え、そこにブラマヨの2人が歩いてるかんじ   (余計分からんわ)

50年以上前から、外も中もきっと何も変わっていない建物、お店、住む人達の顔ぶれ。

そんな香港ローカルの日常が垣間見える深水埗は「ザ香港の下町」を堪能することができる、宝探しのようなエリアなのです

 

MTR (香港の地下鉄) 深水埗駅を出ると、

「香港の秋葉原」と言われる電気街、鴨寮街 (ンガプリウガイ) があるだけあって、デジモノ好きそうなお兄ちゃん率の高さに一瞬怯みそうになりますが、直ぐ目の前に広がるのは、洗濯物がひらひらとはためくレトロな唐楼 (トンラウ) と、その一階部分に入る問屋や商店、さらにその前に陣取ってぎっしりと並ぶ露店の数々。

そう、この時点で、1本の道路が2倍、どうかすると3倍活用されているということに気がつき、商売チャ〜ンスとあらば世界中どこへでも行く香港人魂の原点を、ここに見たような気がするのです。

 

露店街に足を踏み入れると、安いだけではありません。 統一性は皆無ですが、そこには想像を超える独特の世界が広がります。

中古鍋、ライター、タオル、変換プラグ、スマートフォンケース、文房具、髪飾り、子供服、スーツケース、サンダル、電池、靴下、CD、リモコン、ライト、ヘアアイロン、スマートフォンSIMカード、コンピュータの充電コード、コンピュータチップ。。。などなど。

露店街と侮るなかれ、実はそれぞれの露店はひたすら「だけ」を売る、スペシャリストの世界だったのです

 

ひたすらスマホケースだけ。

 

 

ひたすらサンダルだけ。

 

ひたすら腕時計だけ。

 

ひたすら子供服だけ。

 

ひたすら、、、   ん??? これは何を売る店ぞ?どう見てもオフィス引っ越しの粗大ゴミからかき集めてきたのではないかと思うような、コードの数々。。。

 

ここは引きこもりゲーマーお兄ちゃんの部屋ではありません。これを店舗と呼んでいいのか分かりませんが、左端の猫背の彼、一応商売してます。 これ全部売ってます

 

下のこの方達、ヨレヨレのTシャツ着て、一日中ここでゲームして遊んでるのではありません。

スクラップのアルミ板とコードとチップでコンピュータをゼロから一台組み立ててしまうほど、すんごい知識と技術のコンピュータスペシャリストおじちゃん達なのです 

人は見かけによりませぬ

 

そしてこのお方、今まさにコンピュータを組み立てているところ。

視線を感じてチラリと後ろを振り返るも、私が客でないと察知するや、なんでぇと無言で組み立てに戻る職人気質のおじちゃん。 惚れるぜ!

こんな露店もある、深水埗

 

極め付けはこれ、、、

椅子カバー
オフィスチェアに最適
こんなお洒落なカバーに変えるだけで
古い椅子がたちまち新しい椅子に
他にもいろいろなスタイルあります

露店脇にポンとゴミのように置かれていたこの椅子。 周りを見回しても商売主は見当たらず、近付いてよく見ると、布を乗せて椅子の後ろ側をピンで止めてあるだけ。  で、椅子カバーとさ

 

売れるかどうか、そもそもこの人 (どの人?) 商売する気あるのか、これを露店と呼んでいいのか不明だらけですが、売り込みを一切せず興味をそそらせるこのメチャクチャなマーケティング戦略。 

もしかしたら、これぞ香港スタイルなのかもしれないゾと思った、戦略にまんまとハマった深水埗の昼下がりでした

JUN

 

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