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香港STYLE Vol.34 ミニバス⓶ きつねとたぬきと肺活量 (2018.08.25)

香港からこんにちは

 

赤いきつねと緑のたぬきこと、香港の「マルちゃん」、紅色小巴と綠色小巴。 

赤色と緑色の屋根を持つマイクロバスで、香港全土を縦横無尽に走り回る香港市民の頼れる足、ミニバスです。

 

定員16名。 始発駅、先頭から何度数え直しても17番め、数え間違いだったと直前に気付く17番め。。。 どちらにせよ、乗れないことには違いない、17番めの憂い

すぐ前にいた16人を乗せて走り去るミニバスをぼんやり眺めながら、いや、ちょっと待て

てことは、次のバスでは誰がどう数えても、自分は一番め。ドヤ顔で一番乗り、席の選択肢はどこでもオッケー16チョイス

さっきまでの、背中に雨雲かかってます感はどこへやら。 気分は一気に晴れ渡り、夏の男TUBE前田寸前

 

そう、ミニバス始発駅の17番めは、憂いどころか、キラッキラに前向きの17番め

、、、とまぁ、香港のきつねとたぬきは、こんなミジンコサイズの心の器を泣いて笑って満たしてくれるヤツなのですわ。

 

さて、香港ミニバスの乗り方ですが、きつねもたぬきも捕まえ方はいっしょ。

始発駅なら、ポケ〜っと待っていればいつかは必ず乗れますが、路線上のバス停ではそうはいきません。

「ワタシここにいま〜す、乗りたいんで〜すっ!」と手を上げて、鋼のように強い乗車意思を運ちゃんに知らせなくては止まってくれません

 

運ちゃんもプロ。 満席ですと、路上のバス停からラブコールを送る乗客に見える様に、ダッシュボードにのカードを置き、同時に、片手で「無理無理、悪りぃね」と、ロイヤルウェイブならぬ、つれないウェイブ👋🏻👋🏻で満席合図をしてくれるのですが、席がまだあると、減速しながらドアを開けて止まってくれます。

 

注: はい、この、減速しながらドアを開け‥‥云々、大抵のミニバス運ちゃんがよくやります。

要するに、停車したら間髪入れずに乗客を乗せたい=少しでも時間短縮したい、運ちゃんの都合最優先という理由から、減速しながらもうドアを開け、加速しながらやっとドアを閉めるという、でた、同時進行あっぱれ香港スタイル

でも高齢者や子供のことはちゃ〜んと見ていて、席に座るまで発進せずに待っていてくれます

 

さて、乗ってからが少し違うのが、きつねとたぬき。

まず、たぬき。 綠色小巴。

 

これは管轄が香港政府で、路線もバス停の場所も料金も全て決められています。  

料金は乗車時に払う前払い方式で、料金箱 (青丸) に小銭を入れるか、もしくはオクトパスカード (香港のほとんどの交通機関使えるプリペイドカード) の機械 (赤丸)に、ピッ

 

小銭で払う場合、運賃はオクトパスカード機械の上に表示されていますので、それで金額をチェック。

お釣りは出ませんので、ぴったりの小銭がなかったら、減速しながらドアを開けちゃう運ちゃんへの敬意を表して、多めに払うのが暗黙のルール。 運ちゃん > 乗客の構図は永遠です

多めとはいっても、最長で乗っても 6.5香港ドル前後 (約92円) と、もともとが目くじらを立てるような金額ではないですしね

 

では、きつね。 紅色小巴はというと。。。

これは管轄が、香港マフィア 

映画などエンターテインメント業界にも強いパイプを持ち、全世界に散らばる構成員は6万人とも言われる、潮州系ルーツの香港マフィア「新義安」が紅色小巴を牛耳っているというのは、香港人なら口にせずとも知っている、公然の秘密

 

ちなみに、潮州系華僑は華人の中でも独特のビジネスセンスに長けていると言われ、アジア一の大富豪、李嘉誠 (Li Ka Shing) や、人気大物歌手、鄭秀文 (Sammi Cheng) なども潮州系香港人です。

 

はい、このきつねこと、紅色小巴。 運賃は基本的に自由設定。 路線は、始発地点と終点のみが決められており、駐停車禁止エリア以外では、どこでも乗降車できます。 乗車時に運ちゃんに降りたい場所を告げ運賃を聞き、降車時に運ちゃんに支払います。  

お釣りはもらえますが、たったの5ドル運賃を支払うのに500ドル紙幣などは、間違っても出してはいけません。 そんなことでもしたら、ドスの効いた声で罵倒されるのは必至 気をつけましょう。

 

料金箱はなし。 決まった料金設定もなし。 でも、紅色小巴で10香港ドルを超えることはまずないですし、ぼったくるようなことは決してありません。 香港マフィアはそんな、器ちっさ〜なことは致しません

 

 

きつねもたぬきも、運ちゃん達の広東語しか解さない率100パーセント (て全員かいっ)。 

そのため、乗り降りは全て運ちゃんとの広東語による直接交渉になります。

 

紅色小巴は特に、自分の行き先を的確に伝えられる、高度な広東語コミュニケーション能力が必要で、香港の交通機関では難易度トップレベル。

降りたい駅や場所が近付いて来たら、運ちゃんに、

「有落(呀)、唔該!(Yau lok (ah)、 mm goi!)」

「降りるぜ、ヨロシク!」

と大声で主張 

止まれと言われても、どこでもすぐに止められるわけではないため、運ちゃんの声かけのタイミングも大事。 イラッとされないためのベストタイミングは、信号待ち中や降りたい200〜300m手前になった頃。

 

ローカル的ミニバス攻略法、それは十分な土地勘、広東語コミュニケーション能力、それに、大声が出せる肺活量、その3点が必須条件という、ちょっぴり変わった香港スタイルでした

JUN

 

香港STYLE Vol.33 ミニバス⓵ そんな日もあり (2018.08.18)

香港からこんにちは

 

龍が飛び交うと言われる風水都市、香港。

確かにこの街には、まさに今、龍が駆け抜けたような風を感じる、不思議な瞬間があるような気がします。

この街で駆け抜けるのは、龍だけではありません。 「駆け抜ける」というよりは「すっ飛ばす」と言った方がぴったりではありますが、香港市民にとって日々の生活で無くてはならないもの。 それが、

 

ミニバス

広東語で、小巴 (シウバ)

 

広東語のイントネーション並みに隆起に富む香港の地形を知り尽くし、大衆食堂、茶餐廳の客回転よりも合理的で、香港名物、姿勢と足の速さが自慢の香港人お婆ちゃん達の歩速より速い (当たり前か)、この香港ミニバス

複雑な路線形態なうえ、乗車には高度な広東語力と土地勘と度胸が絶対条件。 よって利用者はほぼ全員地元民というローカル度満載の、その濃さ宮川大助・花子の漫才を見たあとの様な充実感

 

MTR (香港の地下鉄) や、ダブルデッカーバス (2階建路線バス) が通らない場所を中心に、香港の隅々までを網羅する「16人乗り立ち乗り禁止」のマイクロバスで、文字通り、香港市民のどこでもドアになってくれる強〜い味方なのです

2017年7月からは、路線によっては19人乗りにアップグレードの (って、3席増えただけかい でも車椅子にも優しいの) 、香港の下町には不釣り合いなくらい小綺麗な新ミニバスも登場し、就航以来一度も車内清掃したことなさそうなのが誇り (いや、埃) だった、愛すべき旧型香港小巴からの世代交代が徐々に進められています。  

それはそれでちょっぴり寂しいのは、きっと私だけではないはず

 

ミニバスの種類は2つ。

マルちゃんの赤いきつねと緑のたぬ、、、じゃなくて、赤い屋根と緑の屋根の2種類。 

紅色小巴 (ホンセッシウバ)

 

綠色小巴 (ロッセッシウバ)

 

車体は両方ともクリーム色ですが、タイヤとヘッドライトとナンバープレート、要するに隠したら走れないか違法になる部分以外は、車体全面に広告が施されているため、元々の色であるクリーム色は、ほぼ見えません

ですので、頭で見分けます

 

さて、このきつねとたぬき、何がどう違うかというと。。。?

① 決まった路線、停留所があるかないか

② 車内に料金支払い箱があるかないか

③ 運営が香港政府か香港マフィアか

・・・という、たったのこれだけ

香港の「たったこれだけ」は侮るなかれ。 乗車前の心の準備とルートの予習及び段取り、そしてアンパンマンほどの己の勇気を試される、運命のきつねとたぬき、もとい赤と緑のミニバスなのです。

 

先の3つの違い以外は、使い勝手はきつねもたぬきも基本的に同じ。

2階建大型バスが停留所ごとにバス停名を、広東語、北京語、英語の順でアナウンスし車内前方の電光掲示板にも表示してくれるのに対し、ミニバスはそんなの一切なし

 

また、ミニバスは運ちゃんの城も同然。 食べ終わったお弁当の空箱に積み重なった1週間分の新聞に傘、好みの歌謡歌手の写真や中国戯曲の公演ポスター、龍の絵柄がド派手なタンブラーに、手がゆらゆら揺れる金色招き猫の置物。。。

そんな運ちゃん家のリビングがそのまま移動してきたかのような運転席周辺に加え、香港電台 RTHK (香港のラジオ局) を大音量で流しながら、急ブレーキ急アクセルですっ飛ばしていきます

 

旧型ミニバスの乗客定員は16人まで。 満席になるとフロントガラスにのカードが表示され、どこかで乗客が降りて席が空くまで、停留所に人が待っていても素通りしていきます。 

又、始発のミニバスターミナルでは、きちんと列を作って並ぶ良い子の香港人ですが、何度数え直しても自分が先頭から17番目だと知った時のショック。。。

 

数えるとどうやらぎりぎり16番目。 「ラッキー 私乗れる、あなた乗れない」と有頂天になりながらすぐ後ろの人に無言の優越感ビームを送り、余裕かましていざ乗ろうとしたら目の前でドアが勢いよく閉まり。 。。

呆然としながら、それが単なる自分の数え間違いだったという現実に気付き、さっきまでのビームは何処へやら、心折れる寸前に。。。

って大袈裟な

 

そんな香港人の悲哀も、ミニバス、きつねとたぬきが織りなす日々のドラマであり、香港スタイルなのです。

 

次回は、ちょっぴり難易度高めローカル的ミニバス攻略法をご紹介しますね

JUN

 

 

香港STYLE Vol.27 香港トラムのある景色 (2018.07.07)

香港からこんにちは

喧騒の中を、お気楽なテンションで走る香港の2階建の路面電車、Hong Kong Tramways。 通称、香港トラム。

レトロな形の車体にカラフルでモダンな広告が映え、大都会を走るその様子は、東洋と西洋、新と旧が心地よく混ざり合う香港そのものです。

 

風情だけではありません、実用性だってバッチリ 幹線道路に約200メートルごとにトラム駅があるので、ひとつふたつ降りる駅を間違えても大丈夫。

「もうひと駅だけラクしちゃお〜っと」なんて調子に乗って乗り続け、目的地が見事に目の前を通り過ぎるのをトラムの中から眺め、結局歩いて戻る、、、なんてこともあったりして。 それもまた人生ナリ、ということも教えてくれる、とっても師匠な香港トラム

 

 

目まぐるしく景色が変わる香港で、どのエリアを背景にしても不思議とマッチするトラムの車両は、ローカルアイデンティティを持ちながらも世界基準という、不思議なバランス感覚を持つグローバルな香港人の姿とも重なるような気がします

 

通過するエリアによって乗客の顔触れが変わるのも、香港トラムのおもしろいところ

 

下町ではフードマーケットでお買い物帰りの主婦が、住宅街では子供の習い事の送り迎えをするアマさんが、金融街ではトラム2駅先にあるオフィスビルへミーティングに向かうのか、書類ファイルを抱えたバンカーが

香港トラムは、多種多様な人々の時間を運びながら、今日もマイペースに香港の街を走っていきます

 

 

トラムの駅は、こんなかんじで道路の真ん中にあることがほとんど。

 

横断歩道がすぐ横にある場合は、横断歩道を半分まで渡ったところでプラットフォームにラクラク行けますが、プラットフォームだけが独立してある場合もよくあります。

そんな時は、まぁ不親切だわ!などとは憤らず、咄嗟の判断力を訓練する絶好のチャ〜ンス!と思って、臨機応変に横断し無事辿り着いてください  香港は人を甘やかしませぬ

 

香港トラムのプラットフォームは細長く、トラムを待つ時は、できれば真ん中あたりにいるのがよいでしょう。

トラムの乗車は車両の後部から、そして降車は前部からするため、プラットフォームの一番前先端で待ち構えていても、降りてくる人達の邪魔にはなれど、そこから乗ることはできません

あまり深く考えずに、適当な場所で適当に待つのが香港スタイル。 大抵2〜3台連なって、適当にやって来て適当に乗客を乗せて出発します

まぁ突っ込みどころは満載な香港トラムですが、1904年の開通以来、今年で114年。 人々の短距離移動手段として現在も大活躍しているところをみると、息の長いその秘訣は、ザ適当さにあるのではないかという、なんとも適当なオチまでついている、なんとも人間的な香港トラムです

 

トラムの中は、1階席は向き合って座る両サイド長椅子の座席、2階席は車両の前方と後方に向き合う座席が数席あり、あとは進行方向を向いて座席が並びます。

 

 

2階席へはこんな、狭っ!な階段を上り下りし、体幹トレーニングにも使える香港トラム。 ジム要らずです

 

1階席からは、街をゆく人々の動きや会話がすぐそこに、2階席からは、香港の躍動感溢れる街並みを見ることができます。

 

 

 

香港名物、竹の足場だって健在。 下町ならでは、生活感溢れる雰囲気の、サイインプン(西營盤)

 

 

活気溢れる商業地域、ワンチャイ(灣仔)や、コーズウェイベイ(銅鑼灣)

 

 

 

アジア経済の中心、金融街のあるセントラル(中環)やアドミラルティ(金鐘)

 

 

 

モザイク画のような街、香港。 ひとつでもピースが欠けると絵にならないように、香港トラムは、香港というモザイク画のピースなのでしょう。 100年以上変わらない、その音色も景色も

 

JUN

 

香港STYLE Vol.26 香港トラムの音色 (2018.06.30)

香港からこんにちは

オーケストラが奏でるシンフォニーのように、いろいろな音が溢れる街、香港。

商店の店先で飛び交う、広東語や様々な言語。

『只今工事中につき、大変ご迷惑をおかけしております (ペコリ)』という立て看板を出す発想はない (見りゃ分かるでしょ ←これが香港人の発想)、ビル工事現場の大音量掘削音

都心の狭い道路もなんのその。 街中を縦横無尽に走る、2階建バスの大型エンジン音

渋滞するや間髪入れずに鳴らしてくる、忍耐沸点低め、タクシーのクラクション

赤信号で待たせる時は「トン、トン、トン」と間隔を空けた穏やかな音が、青になった瞬間から「トトトトトッ!」と10倍速の音に豹変。 人を急かしてくる、歩行者信号機の音

かと思えば、路面電車がの〜んびりゆったり路面を走る音。。。

 

そう、皆さまもどこかでご覧になったことがあるかもしれません、香港名物の2階建路面電車

『香港電車』Hong Kong Tramways

通称、香港トラム。

 

香港島北部 (ヴィクトリア湾側) をほぼ端から端まで東西に走る路線全長約16.2km、香港を代表する乗り物の一つです。

 

幹線道路の200〜300メートルおきにトラム駅があり、街中のちょっとした移動にとても便利。  

 

歩くつもりだったけれど「お、ちょうどトラムが来たから乗っちゃお」的な、自分に厳しくない人にはもってこい  ←私よくやります

 

また、地下鉄で行けばものの2分でワープするところを、時にはトラムで20分かけて移動する、そ〜んなプチ贅沢一人時間を味わえたりもします

時刻表など無いお気楽さを乗せて走る香港トラムは、香港人のモットー「時は金なり」感覚はどこ吹く風  ゆる〜い時間軸の香港トラム。

この街の甘辛バランスの不思議さ、こんなところも香港スタイルです

 

時が止まったかのようなレトロな下町から、人で溢れかえるエネルギッシュな商業地区、高級宝飾店がズラリと並ぶインターナショナルなアップタウンや金融街まで、トラムは香港の全てを見せながら、の〜んびりとマイペースに走っていきます。 

一台逃しても、すぐに次が来るので大丈夫。 よく3〜4台連なって走行しているのを見かけるくらいですから

 

トラムが動き出す時に鳴らされる「チーン、チーン」という鈴の音色。 鉄の車輪が路面の窪みを走行する際の、ゴロゴロという鈍い音

香港トラムの開通は1904年ですが、そんな音色も、100年以上前に香港の街に響いていたものと、きっと少しも変わりはないのでしょう

車のクラクションや工事現場の掘削音のような大きな音ではないけれど、街の喧騒の中で、ふっと耳に届く心地よい不思議な音です。

 

トラムの料金は一律 2.6香港ドル/約36円 (2018年7月2日より)。 降車時に支払います。 お釣りは出ませんので、ぴったりの小銭か、オクトパス・カード (Octopus Card) を使います。

オクトパス・カードとは、日本のSuicaやPASMOのようなプリペイドカードのこと

 

香港のほとんどの交通機関で使え、地下鉄駅の窓口で購入できます。 地下鉄駅、コンビニ、スーパーマーケットでもチャージが出来る、スグレモノ。

又、交通機関だけでなく、コンビニやカフェ、自動販売機、スーパーマーケットで買い物をする時も、オクトパス・カードで支払いができるので、香港に一定期間滞在する際には最初に購入しておくととても便利です

 

又、トラムは、香港島の繁華街を順次通り抜けていくため、これ以上効果的な移動広告手段はないわけです。

最近のトラムの車体には、国内外フェアや、お得なツアー、様々な商品、セミナーやコンサートイベントの宣伝など、ありとあらゆる広告でカラフルに彩られ、それだけでも目を楽しませてくれます

例えば、、、

澳門 (マカオ) のショッピングモールで開催、エイリアンイベントの広告👽 本物のエイリアンもギョッとすること請け合いの、ちょっぴり不気味なエイリアントラム

 

金融資産管理サービス会社の広告黄金の要素が貴方様の資産運用を完成させます」

 

香港大学、社会芸術学部 「さらに先へ!」 文学部系も頑張っています

 

オークションハウス Christie’s Hong Kong 春のオークション。 車体がチャイニーズアートに。 さて推定価格は?

 

街の喧騒に混じって聞こえてくる、トラムのちょっぴりノスタルジックな音色。 そんなところもまた、香港の魅力のような気がします

 

次回は、香港の人達が、トラムから毎日見ている街の風景をご紹介しますね。 お楽しみに!

 

JUN

 

香港STYLE Vol.20 ヴィクトリア・ピークから⓶ 登り方編 (2018.05.19)

香港からこんにちは

香港島と九龍半島の摩天楼、ヴィクトリア・ハーバーの絶景を楽しめる観光名所、

ヴィクトリア・ピーク (山頂)

 

いつ訪れても、何度訪れても感動と開放感を味わえる、私も大好きな場所です。

ヴィクトリア・ピークは、生粋の香港人にとっても実は特別な場所。 それはここが、風水で「龍の起点」と言われているからです。

街そのものが世界最強の風水スポットと言われる香港。 その中でもさらに、強いパワーが漲るとされるのがヴィクトリア・ピークなのです

 

中国大陸から駆け抜けてきた龍脈が太平山の山頂を貫き、この場所には龍の強力なパワーが滞留すると言われています。

香港の絶景を楽しみながら同時に、この土地からエネルギーをチャージできる幸運のパワースポット、ヴィクトリア・ピーク。

それでは、龍がピークへ駆け登る龍脈を感じながら、風水のエネルギーが宿るヴィクトリア・ピークへ登ってみましょう

 

おススメの行き方は3つ。

その1: 徒歩

はい、ずばり徒歩です。 足です

風水に頼っているだけではいけませぬ 自らの足を使いましょう、、、というのは冗談ですが、それはさておき、徒歩はぜひオススメ!

ピークに登るハイキングコースのスタート地点は、太平山の麓に何ヶ所かあります。  中でもおススメは、舊山頂道 (Old Peak Road) を使うコース

MTR金鐘 (Admiralty) から 半山区 (Mid-Levels) へ伸びる緩やかな坂道、紅棉路 (Cotton Tree Drive) を羅便臣道 (Robinson Road)まで行き、そこから 舊山頂道 (Old Peak Road) に入ります。

香港で最も歴史のある私立病院の一つ、嘉諾撒醫院 (Canossa Hospital) が左前方に見えて来ますが、そこが舊山頂道 (Old Peak Road) の始まり。 舊山頂道は、18番地くらいまでは香港屈指の高級マンションが立ち並ぶ瀟洒なエリア。 18番地を過ぎると次第に道幅は狭くなり、徒歩専用の坂道ハイキングコースになります

太平山の豊かな緑に囲まれて自然のエネルギーを感じながら、歩いてるだけで元気が出る!、そんな登山ハイキングコースです。 スニーカーと飲み水と帽子を用意して、龍脈のパワーにぜひ逢いに行ってみてください

 

その2: 2階建バス

MTR中環にある、交易廣場 (Exchange Square) 下のバスターミナルから、新巴 (First Bus) 15番 山頂 (The Peak) 行きに乗ります。 又、15番バスは途中、大會堂 (City Hall) バス停、干諾道中 (Connaught Road Central) バス停、MTR金鐘 (Admiralty) C1 出口のバス停にも停まるので、そこから乗ることもできます。

 

この2階建バスがまた、意外に楽しい!

山道を登って行くにつれ、片側の急斜面には太平山の木々の緑、反対側を見下ろすと眼下に跑馬地馬場 (Happy Valley Racing Course) や高層ビル群の大都会といった、香港独特の正反対の景観を堪能できます。

 

 

高度が高くなるにつれ細く曲がりくねる山道は、時に車がすれ違うのもやっとの道幅。 すれ違う対向車が同じく大型バスや2階建バスだったりすると、お互いにスレッスレ!

 

 

それでも器用にハンドルを切り、何事もないかのように鼻歌を歌いながら進むベテランドライバーさんに、バスの乗客は皆心の中で、兄ちゃんグッジョブ!

山側からせり出した木の小枝が時々バスの車体に当たり、バリバリ!と大きな音を立てたりと、なかなかスリリングです

地元の人達も日常的に使うヴィクトリア・ピーク行きの2階建バス。 足は楽して景色は堪能  香港ローカル感いっぱい、2階建バスのお手軽ヴィクトリア・ピーク登山。 ぜひオススメです

 

その3: ピーク・トラム (山頂纜車: サンデンラムツェ)

世界でも屈指の歴史を持つ登山鉄道の一つ、香港のピーク・トラム。 1888年5月30日、当時の香港総督、Sir George William Des Vœux (サー・ジョージ・ウィリアム・デ・ヴー) による開通式典によって幕を開け、以来、130年の時を経て現在に至ります。

戦争の波に洗われ、国際的なスター達が出演する香港映画のロケ地としてもよく使われてきました。 海抜28メートルから397メートルまで、2両編成の車両が鋼鉄製のケーブルに引っ張られる形で、1.4キロの距離を約8分でゆっくりと登っていきます。

 

石炭を燃やしたスチームボイラーが動力だった開通当初以来、数回の世代交代を経て進化を遂げ、現在は、最新の科学技術を取り入れたコンピューター制御システムにアップグレード。 運行開始から130年間、1度も事故を起こしていないのも、知る人ぞ知るピーク・トラムの歴史雑学

太平山の熱帯雨林を抜けると、進行方向右手に忽然と姿を現すヴィクトリア・ハーバーの絶景は必見です。

徐々に角度を上げたピーク・トラムの最大傾斜は27度! 首が後ろから引かれるような重力が味わえます。 また、急斜面を登るため、トラムの右手に広がる高層ビル群がヴィクトリア・ピークに向かって落下するようにも見える、壮大な幻影を体験できるのも醍醐味です。

子供も大人もワクワクする、まるで夢の国アトラクションのようなピーク・トラム

駅は、中環 (Central) の 花園道 (Garden Road) 沿いにあり、午前7時から夜12時まで10-15分間隔で運行しています。

個人的にオススメの時間帯は、朝一番の乗車。 ピーク・トラムは、ヴィクトリア・ピークとセットで楽しむ観光名所として大人気なゆえ、乗車のための観光客の長蛇の列は必至。 朝ですとそれほど人も多くなく、山頂では朝一番の清々しい空気の中、いい龍脈が身体の中に染み込んでいくのを実感できるはずです

 

 

東洋の真珠と言われる、香港の風水パワースポット、ヴィクトリア・ピーク。

次回は、山頂 (The Peak) を実際に歩いてご案内しますね。 お楽しみに!

JUN

香港STYLE Vol.16 香港が紡ぐ音色 (2018.04.21)

香港からこんにちは
 
 
世界中のおもちゃ箱をひっくり返したような街、香港。 何でもアリで何でもあるこの街は、例えば、乗り物ひとつを見ても何でもあります。
 
 
タクシー、ミニバス、2階建バス、トラム (路面電車)、ピークトラム、MTR (地下鉄)、マカオや離島への大型フェリー、そしてスターフェリー。
 
 
 
この狭い香港によくこれだけのものが、、、と思いますが、どこかの夢の国、遊園地のアトラクションのようですね
 
 
 
その中で、香港市民に愛されるこの街のシンボル的存在が、
 
 
スターフェリー
 
 
廣東語で、天星小輪 (ティンシンシウロン)。
 
 
1888年に、当時英国領だった香港島と中国大陸側の九龍を結ぶ、船の交通手段として登場したこのスターフェリー。
 
 
香港の摩天楼、空、山、海のコントラストと、昼夜問わずヴィクトリア湾の絶景大パノラマを楽しめることから、観光客にも大人気ですが、長年香港市民の足としても愛されています。
 
 
湾を行き交う大小の船を眺めながらの約8分間のショートクルージングは、波の音とフェリーのエンジン音だけが心地よく耳に響く、ゆったりとした時間。
 
 
ハイスピードで忙しい香港で、街の喧騒からホッとできる貴重な時間でもあります。
 
 
 
香港島セントラルのフェリーピア (Star Ferry Pier, Central)。

ちょっぴりノスタルジックな時計台が素敵ですね

 

スターフェリーの船体は2層に分かれていて、1階席 (Lower Deck。二等席) と2階席 (Upper Deck。一等席) に分かれています。

 

2階席は、船の中心部分がオープンデッキ、両端先端部がエアコン付きのインドアデッキとなっています。

どこに座るかは自由。 オープデッキで波のリズムを感じながら海風に吹かれるのもいいですし、暑い日はここで一息、エアコン席を選んで景色を見ながら涼むのもいいかも

 

出航の証を告げる笛の音が鳴ると、エンジンが動力いっぱいまでパワフルに動き始めます。

それまで静かに佇んでいたフェリーの周りの翡翠色の海水が急に白っぽく淡い色になり細かい泡を立て始めます。  きっと水中では、スクリューエンジンのプロペラが全開に回っているのでしょう。

そんな色を見ながら音を感じ、クルージングがスタート

 

これはフェリーを埠頭に泊めておいた2本の大縄を、セーラー服の水兵さんが外すところ。星のマークが施されたネイビーブルーのセーラー服も、スターフェリー登場の1888年当時からほぼ変わらずこのデザインだそうです。

絶妙なタイミングで埠頭側から船体側に渡すのですが、息のぴったり合った作業はまさに名人技

 

太陽に照らされキラキラと輝くヴィクトリア湾の水面を、スターフェリーはゆっくりと少しずつ向きを変え、埠頭を後にします。

これは船内の2階席 (一等席)。

全ての座席にはスターフェリーのシンボル、スター (星) が施され、シンプルで温かみのあるアンティークなデザインが、とても素敵です

座席の背もたれは向きを変えられ、対面で座ることもできます。 1888年当時としては、革新的デザインであったはず。 当時のイギリスは産業革命の力を存分に発揮して、長く使えるいいものをたくさん作っていたのですね。

 

の〜んびりゆったり。 波の穏やかな揺れのリズムに身を任せ、ぼーっと水面を眺めるスターフェリーの時間はきっと、どんな人にも至福の時。

全てがハイスピードの香港の喧騒から一瞬だけ離れ、そしてまた喧騒に戻っていく、その間のひと時です。

 

スターフェリーは、誰もが懐かしい気持ちになる、そんな不思議な魅力を持っているような気がします。

 

約8分のショートクルージングも間もなく終わり。 対岸のフェリーピアに近付くと、エンジンの逆回転の音がし始めます。

太く編み込まれた縄が、また絶妙なタイミングで埠頭側に投げ渡され、2本の縄でつながれる船体と埠頭。  

これ以上に無いほどにピーンと張り詰められた縄が、その力と存在感をいっぱいに醸し出し埠頭と繋がれるのを見る時、フェリーが無事にひと仕事終えて停止したことを実感します。

 

エネルギッシュでパワフルでエキサイティングな街、香港。 おもちゃ箱をひっくり返したような街、香港。 そして、誰もが本気で貪欲に生きる街、香港。

そんなダイナミックで強い街だからこそ、目で見る、音で聴く、肌で感じる優しさとか懐かしさ。。。 そんな、ちょっとだけ心のネジを緩められる時間も、きっと最高の贅沢になるのですね。

 

スターフェリー

香港を訪れたらぜひ、摩天楼を遠くに見ながら波の音色に耳を澄ませてみてはいかがでしょうか

JUN