香港STYLE Vol.29 スタンレーより⓶ そんなお爺ちゃんの審美眼 (2018.07.21)

香港からこんにちは

 

香港島の最南端に位置する美しいリゾート地、スタンレー (赤柱)。

香港中心部から車で約30分。緑と空と海と太陽に囲まれたこのエリアは、まるで南イタリアの高級リゾート地のような趣きです

 

南欧風ライフスタイルを好む欧米人も多く住み、海岸沿いのメインストリートに並ぶレストランやカフェは、スタンレー住民達の憩いの場。 目の前には、抜けるような高い空と、どこまでも続く大きな海が広がります

海岸沿いプロムナードを朝早くジョギングする人、犬の散歩をする人、カフェでゆっくり新聞を読む人。。。

 

そんなスタンレーを訪れたらぜひ立ち寄ってみたいのが、スタンレー・マーケット (赤柱市場)

 

狭い歩道の両側にぎっしりとお店が並び、少々雑多な雰囲気もこれまた、香港ならでは

 

雑貨やオモチャなどを売る、ザお土産屋さんに混ざって、チャイナテイストの洋服やインテリア、中国刺繍が美しいテーブルクロスやリネンのお店、シルクやレースの専門店、中国絵画を扱う専門店など、バラエティ豊かなお店が軒を連ね、見て歩くだけでも楽しいスタンレー・マーケット  

額縁屋さんが扱う中国アートには結構掘り出しモノもあったりして、店内で一枚一枚絵を吟味していると、思わず時間が経つのを忘れるくらいです。

 

マーケットの外、ほとんど忘れ去られたかのような裏道の端っこに、こんな謎のアンティーク屋さん (ガラクタ屋さん?) もあったり。。。

というかこれ、秦始皇帝陵の兵馬俑に似てるような? ・・・・・・  

 

秦始皇帝陵は世界文化遺産ですから、コレジツハホンモノデス、ということはたぶんないでしょうけれど、それにしても、Youは何しに香港へ???

秦始皇帝陵は、正式に発見された1974年以前から西安地元住民には薄々知られた存在だったという話もありますし、まぁ、型破りてんこ盛り人生の香港人のこと、「なんでも50年くらい前、ウチのお爺ちゃんが西安の山ん中で見つけて、これだけは手放さんっって香港に逃げて来る時も担いで持ってきたらしいのよla〜。 置く場所に困るから売ろうと思って置いてるんだけど、なかなか売れなくてla〜」、、、な〜んてことも充分無くは無い話、という、ここだけの話

 

マーケット歩きを終えて外に出ると、地上にむき出すように根を張るこんな大きな木も。 道に木陰を作り、爽やかな海風を運んできてくれます

 

太陽の光が降り注ぐ中、建物の黄色とその向こうに広がる青色の海が美しいコントラストを奏でる、スタンレーのレトロな街並み。

 

レストランやカフェが並ぶ Stanley Main Streetを歩いて行くと、スタンレー・マーケット (赤丸矢印) とはちょど反対側、Stanley Ma Hang Park /赤柱馬坑公園 (緑色丸) の入り口が見えてきます。

 

スタンレーは、スタンレー・マーケットがあまりにも有名なため、この公園に足を運ぶ観光客はまだ少なく、実はとても穴場

高台の斜面に作られた Stanley Ma Hang Park は、ちょっとしたハイキングにぴったりです。 歩きながらスタンレーの高級住宅地や南シナ海が遠くまで見渡せる、密かな絶景スポットなんですよ

 

途中、階段を下りていくとそこには、地元の人しか知らないような、小さな入り江の浜辺も

 

ここは実は私がスタンレーで一番好きな場所 周辺には高級住宅が立ち並び、浜辺に降りてくるのはその住民がほとんどという、プライベートビーチのような静けさ。

砂浜のベンチに座って夕方の海を眺めていると、波の音と海風がこの上ない幸せな時間を届けてくれます

 

 

香港にとっても、地球にとっても欠かすことのできない存在の、海。

スタンレーには、海や自然を肌で感じられる穏やかな時間と、むかーし昔、秦始皇帝陵の兵馬俑を一体持ってきちゃったかもしれない破天荒なお爺ちゃんが生きたダイナミックな時間、そんな両方が流れているのかもしれません

 

JUN

 

香港STYLE Vol.28 スタンレーより⓵ 海風の薫り (2018.07.14)

香港からこんにちは

 

1年の4分の3は夏、という香港。 高気温なだけでなく、雨期には湿度がほぼ100%という蒸し暑い日も続きます。

これだけ人口密度の高い香港で、それでもなぜか息苦しさを感じないのは、ここには不思議な海風がふいているからのような気がします

 

ヴィクトリア・ピークのウォーキングコースでも、セントラルのスターフェリー桟橋でも、摩天楼の合間をゆくトラムの中でも、そして、街のどこを歩いていても、どこからともなく流れてくる香港の海風

それは、威圧感も閉塞感も束縛感もない、香港人のアイデンティティを象徴するかのような、自由な海風

遠く南シナ海からの空気に乗って流れてくるこの海風が、香港に足を踏み入れた人々の全てを受け入れ、アジアで最も開けた市場と、成熟した香港社会の土壌を作ってきたのかもしれません。

そんな自由な海風に誘われるように、私がよく気分転換に訪れる場所があります

 

スタンレー  (赤柱/チェ チュウ。英: Stanley)

 

 

香港島の南東部先端に位置するスタンレー (上の赤丸) は、香港の英国入植が始まった1842年当時、香港で最も栄えていた場所だったそうです。

 

もともとは香港島の小さな漁村だったスタンレー。 やがて、風光明媚なこの地に魅せられた多くの西洋人実業家や富裕層が居を構えるようになり、現在は香港屈指の高級住宅地としても知られています。

 

豊かな自然や、地中海地方を彷彿とさせる開けた街並み、入江の静かなビーチ。 それに、穏やかな南シナ海の海風

そこに身を置くだけで、そこを歩くだけで、心も身体もエネルギーを充電できる、そんな香港の楽園です

 

 

 

香港島の中心地から車で30〜45分。 地下鉄は通っていませんが、セントラル (中環) や コーズウェイベイ (銅鑼灣) からスタンレー行きの2階建バス (No.260、6X、6、6A、73、66) や、ミニバス (No.40) が約10分間隔で出ていますので、ちょっとしたデイトリップには最適です。 

海岸沿いに並ぶレストランや商店は、週末ともなると、このエリアに住む富裕層の家族連れで賑わい、テラス席で海風に吹かれながらの一杯は至福の味

 

海風のように気ままに海岸沿いを歩くと、どこからともなく耳に心地よい波の音が聞こえてきます。

 

コロニアル様式の建物の横を歩いてゆくと、、、視界が開け、Blake Pier (ブレーク桟橋) が見えてきます。 

1800〜1900年代にかけて、新しく就任する香港総督が英国から香港に到着する際や、英王室関係者が香港視察に訪れる時など、彼らが最初に降り立つ場所として使われていた埠頭だったそうです。

 

 

Blake Pier の先端に立つと目の前に広がるのは、遮るもののない、海と空。

この先には、、というより、もうここが、南シナ海なんですよね

 

170年以上前の今日も、きっと同じ色だったに違いないスタンレーの海と空、そして海風の薫り

イギリスとは気候も風土も大きく異なる、アジアのまだ未開の地であった当時の香港。 そこに降り立った香港総督をはじめとする総督府のイギリス人官僚達もきっと、今目の前に広がる同じ景色を見ながら、同じ海風を感じながら、香港に入っていったのでしょう。

濃い翡翠色の南シナ海。 そして香港の玄関口であった、スタンレーに流れてくる海風。

それが頬をかすめる時、こんなにも自由で温かく、悠然とした凛々しさも持つ、香港という街の強い生命力を感じずにはいられません。

 

次回は、スタンレーの街を少し歩いてご紹介しますね。 お楽しみに!

 

JUN

 

香港STYLE Vol.27 香港トラムのある景色 (2018.07.07)

香港からこんにちは

喧騒の中を、お気楽なテンションで走る香港の2階建の路面電車、Hong Kong Tramways。 通称、香港トラム。

レトロな形の車体にカラフルでモダンな広告が映え、大都会を走るその様子は、東洋と西洋、新と旧が心地よく混ざり合う香港そのものです。

 

風情だけではありません、実用性だってバッチリ 幹線道路に約200メートルごとにトラム駅があるので、ひとつふたつ降りる駅を間違えても大丈夫。

「もうひと駅だけラクしちゃお〜っと」なんて調子に乗って乗り続け、目的地が見事に目の前を通り過ぎるのをトラムの中から眺め、結局歩いて戻る、、、なんてこともあったりして。 それもまた人生ナリ、ということも教えてくれる、とっても師匠な香港トラム

 

 

目まぐるしく景色が変わる香港で、どのエリアを背景にしても不思議とマッチするトラムの車両は、ローカルアイデンティティを持ちながらも世界基準という、不思議なバランス感覚を持つグローバルな香港人の姿とも重なるような気がします

 

通過するエリアによって乗客の顔触れが変わるのも、香港トラムのおもしろいところ

 

下町ではフードマーケットでお買い物帰りの主婦が、住宅街では子供の習い事の送り迎えをするアマさんが、金融街ではトラム2駅先にあるオフィスビルへミーティングに向かうのか、書類ファイルを抱えたバンカーが

香港トラムは、多種多様な人々の時間を運びながら、今日もマイペースに香港の街を走っていきます

 

 

トラムの駅は、こんなかんじで道路の真ん中にあることがほとんど。

 

横断歩道がすぐ横にある場合は、横断歩道を半分まで渡ったところでプラットフォームにラクラク行けますが、プラットフォームだけが独立してある場合もよくあります。

そんな時は、まぁ不親切だわ!などとは憤らず、咄嗟の判断力を訓練する絶好のチャ〜ンス!と思って、臨機応変に横断し無事辿り着いてください  香港は人を甘やかしませぬ

 

香港トラムのプラットフォームは細長く、トラムを待つ時は、できれば真ん中あたりにいるのがよいでしょう。

トラムの乗車は車両の後部から、そして降車は前部からするため、プラットフォームの一番前先端で待ち構えていても、降りてくる人達の邪魔にはなれど、そこから乗ることはできません

あまり深く考えずに、適当な場所で適当に待つのが香港スタイル。 大抵2〜3台連なって、適当にやって来て適当に乗客を乗せて出発します

まぁ突っ込みどころは満載な香港トラムですが、1904年の開通以来、今年で114年。 人々の短距離移動手段として現在も大活躍しているところをみると、息の長いその秘訣は、ザ適当さにあるのではないかという、なんとも適当なオチまでついている、なんとも人間的な香港トラムです

 

トラムの中は、1階席は向き合って座る両サイド長椅子の座席、2階席は車両の前方と後方に向き合う座席が数席あり、あとは進行方向を向いて座席が並びます。

 

 

2階席へはこんな、狭っ!な階段を上り下りし、体幹トレーニングにも使える香港トラム。 ジム要らずです

 

1階席からは、街をゆく人々の動きや会話がすぐそこに、2階席からは、香港の躍動感溢れる街並みを見ることができます。

 

 

 

香港名物、竹の足場だって健在。 下町ならでは、生活感溢れる雰囲気の、サイインプン(西營盤)

 

 

活気溢れる商業地域、ワンチャイ(灣仔)や、コーズウェイベイ(銅鑼灣)

 

 

 

アジア経済の中心、金融街のあるセントラル(中環)やアドミラルティ(金鐘)

 

 

 

モザイク画のような街、香港。 ひとつでもピースが欠けると絵にならないように、香港トラムは、香港というモザイク画のピースなのでしょう。 100年以上変わらない、その音色も景色も

 

JUN

 

香港STYLE Vol.26 香港トラムの音色 (2018.06.30)

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香港STYLE Vol.25 ザ・ペニンシュラ香港⓷ ペニンシュラで朝食を (2018.06.23)

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香港STYLE Vol.24 ザ・ペニンシュラ香港⓶ 都会のオアシス (2018.06.16)

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香港STYLE Vol.22 ヴィクトリア・ピークから⓸ 秘密の花園編 (2018.06.02)

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香港STYLE Vol.21 ヴィクトリア・ピークから⓷ モーニングトレイル編 (2018.05.26)

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香港STYLE Vol.20 ヴィクトリア・ピークから⓶ 登り方編 (2018.05.19)

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