美しい赤色

Christie's Hong Kong 2006.06-02

秋は、真っ赤な紅葉や赤いリンゴなど、あちこちで目にする赤い色が、豊かな季節の華やぎを感じさせてくれます。ルビーの赤い色も、身に着ける女性の心に華やぎを添えてくれるように思います。

前回のブログでは、ルビーの存在は、地球から生まれた全くの偶然であり、きわめて奇跡的なものだとお話しいたしましたが、今回は一歩進めて、その「奇跡の赤色」についてちょっと探ってみたいと思います。

ルビーの語源は「ルベウス」。ラテン語で「赤」を意味します。最も美しいルビーの赤は、ピジョン・ブラッド(鳩の血色)と表現されますが、それはいったいどんな赤なのでしょうか。

ピジョン・ブラッドとは最高級のルビーの色のことで、この色のルビーは、ほとんどがミャンマーで産出されます。やや濃い目の赤色で、内側から妖しいまでの輝き(業界用語ではテリと言います)があり、見た人を魅了させるパワーがあります。黒みの原因になる鉄などの不純物がほとんどなくて、クロムの含有率が1%ギリギリの場合にだけ、その「美しい赤色」が生まれるのです。

また、タイ産のルビーは、ミャンマー産のものと比べると、やや黒みを帯びた赤色ですが、それは鉄イオンが幾分含まれているせいです。その他、スリランカ産は、明るい色調で透明度も高く、チェリーピンクと呼ばれます。

このように、ルビーの色は産地によって様々な特徴がありますが、いずれも見事な華やかさと情熱を秘めた宝石です。また、ルビーはダイアモンドに次いで硬い石(モース硬度9)ですから、耐久性にも優れていて、代々受け継がれていく宝石としてもふさわしいものだと思います。

何十年か後に、「このルビーは私のひいおばあさまが持っていたものですって!」と、子孫の誰かが自慢にしてくれるかもしれませんね。(*^^)v