年別アーカイブ: 2019年

香港STYLE Vol.63 手に秘められたストーリー (2019.03.16)

香港からこんにちは

 

日々の生活で、インスピレーションを与えてくれるもの、私の場合それは、『手』です。

 

長らくクラッシック音楽の世界でピアノを専門としてきたこともあってか、『手』に対する愛着は人一倍強いかもしれません。

 

ピアニストにとって、手や指は命ともいえるもの。

表現者として、ピアニストの全ての感覚と神経が集まる場所、それが手であり、さらに言えば手首と指先。 

 

弦楽器であり打楽器でもある、グランドピアノの鍵盤に直接触れる指先を通して、鉄骨に保持された弦を叩くハンマー、ピアノを身体の一部として感じる感覚のコントロール、そして響板を響かせ、あらゆる音色を創り出す。 それがピアニストの指先なのです。

また、一見優雅に座って弾いているだけのように見えるかもしれないピアニストですが、演奏を運動量にしたら実は相当なもの。

ピアノ演奏とは、脚から肩から背中から、、、と、全身の神経と筋肉を使うスポーツ的要素も多分にあり、特にラフマニノフやショスタコーヴィッチなど、ロシアもののピアノ協奏曲など大曲をステージで弾き上げるのは、心身ともに大きなエネルギーが要求されるものです。

 

と、予期せず話が逸れましたが。。。

 

日々、ふと目にする自分の手。 毎日使わないことはない、自分の手。

でもよく見ると、この太い関節と骨ばった指。 親指と小指が左右180度に開く、伸びた水掻きと幅広い手の甲。 大きなハーモニーを支えるのに必須な、肉厚の手のひら。。。

 

するっと細長い指や、薄く華奢な手の甲などとはまるで正反対ですが、ピアニスト特有の骨太の自分のこの手、この指。 結構気に入っています。

 

 

また、自分の手と同じくらい、人の手にも興味がある私は、初対面でもそうでなくても、まず相手の手に自然と目がいってしまうという。。。 長くピアニストだったゆえの、一種の職業病みたいなものでしょうか。

でも、一般的に言われる手の美醜や造形への興味ではなく、手そのものが語りかけてくる、その人の人生観、価値観、そして生きてきたストーリーへの深い興味なのです。

 

くるくるとよく動く、大袈裟で大胆でジェスチャー豊かな、イタリア人の友人ヴァイオリニストの、天才肌でドラマチックな手。

 

理工系博士号を持つ、学生時代からの大親友イギリス人。 知性と品位の塊のような彼が、パブでパイントグラスを静かに持つ、思慮深い穏やかな紳士の手。

 

クリスティーズ・オークション会場で落札直前、入札者の有無が最終確認されるあの一瞬の静寂。 まさに会場の時を止めてしまう、名物オークショニアの、アートとビジネスを融合させる魔法の手。

 

京都の芸妓さんが必ず着物の袖で隠す、手。 「秘すれば花」。

 

子供の頃、高熱が出た時、中耳炎が痛くて眠れなかった時、夜通し寝ずに氷枕を作り続けて看病してくれた、世界の全てを包み込む母の温かい手。

そして、それを自分がしてあげる番になった時、子孫を繋いでいく命のリレーを本当の意味で実感し自覚し、私を母にさせてくれた、我が子の小さく温かい手。

 

 

 

香港島セントラル (中環) にあるマンダリン・オリエンタルホテル内の「カフェ・コゼット」で、平日の同じ時間帯になぜかよく見かける、あるご高齢のマダム。  

一目で『琅玕』(ろうかん) と分かる、最高級翡翠のネックレスを身につけた彼女の、皺だらけで骨ばった指には、10キャラットはあろうかというダイヤモンドリング。 

ゆっくりと歩きながらも背筋はシャンと伸び、杖を持つ皺だらけ の彼女の手が、私には何よりも、そしてそこにいる若いどんな誰よりも、エレガントで、敵わないほど美しく、高貴なものに見えるのです。

裕な精神で裕な時間を丁寧に積み重ねてきた人のみが持ち得る、歳を重ねたマダムの圧倒的な手のオーラ。

 

本物の美とは、知性と気品と生き様が備わらなければ無価値であると、彼女の佇まいと杖を持つ美しい手から教えられたような気がします。

JUN

 

香港STYLE Vol.62 揺らめきのオーラ (2019.03.09)

香港からこんにちは

香港の春は、心浮き立つ元気なイースターカラー🧡💛💚

クラッシックで品のある、こんな素敵なビタミンカラーは、たとえばメンデルスゾーンのシンフォニー4番「イタリア」の、軽やかなフレーズがイメージ。 モダンだけでない、アジアだけでもないこんなセンスもまた、香港スタイルです。

 

さて、春が近づいてくると、太陽の光も眩しくグリーンは生き生きとし、そんな時に手に取って身につけたくなるのは、軽やかに揺れるジュエリーではないでしょうか。

中でも、動くたびにきらきらと反射するシャンデリアやタッセルタイプのイヤリングは、女性ならではの楽しめるデザイン。

 

ロンドンでも香港でもパリでも、時に弾けるような、時に母性溢れるマダム達の笑顔の横に揺れていたのは、そういえば、そんな風に揺れるタイプのエレガントなイヤリングでした。

 

耳を飾る、耳を彩る、というセンス。

 

ネックレスの原型は、原始時代では狩りに出る男性のお守りとして、猛獣の牙をひもに通したものであり、中世ヨーロッパでは、騎士達が闘いに出る際にお守りとして身につけたガーネットの首飾りであったり、史実的にも、男性の身を守るお守りとして使われていました。

それに対し、正装で全身に装飾品をつけるインドのマハラジャや、オスマントルコのスルタンはまた別としても、イヤリング「耳を華やかに飾る」という行為は、女性だからこそできるものというイメージがあるかもしれません。

 

たとえば、、、

春風になびく髪の隙間からきらきらとのぞく、揺れるカルセドニーとイエローダイヤモンドの華やかなピアス。

 

 

きれいにアップされたグレーのまとめ髪と惹き合うように耳元で揺れる、エメラルドとダイヤモンドのパンテール・イヤリング。

 

 

色石は使わず、全てダイヤモンドという潔さに対し、動くたびにきらきらと揺れる無数のダイヤモンドが最高にフェミニンでエレガントな、タッセル・デザインのピアス。

 

 

欧米女性が密かに憧れ嫉妬する、東アジア人の潤いの黒髪と絹のような肌にしっとりと馴染む、翡翠特有の翠色が黒い瞳に映える、モダンでクラッシックな翡翠ピアス。

 

 

知性を感じさせるデコルテには敢えて何もつけず、ポンパドールの髪の耳元でゴージャスな存在間を放つ宝石の女王、ダイヤモンド、ブルーサファイア、ルビーのシャンデリア・ピアス。

 

 

こんな風に左右違う色石をエレガントに着けた女性の横顔は、ボッティチェッリの絵画プリマヴェーラのヴィーナスのように、きっとこの世の何よりも、誰よりも美しいに違いないはず。

 

 

内包物を多く含むエメラルドが持つ深みのある美しい最高級グリーンは、人工では絶対に実現できないと言われる、コロンビア、ムゾー鉱山産のエメラルドピアス。

 

 


マーキスカットとペアシェイプカットに研磨された揺れるダイヤモンドが、音符 ♬ のようにも見える、雫のダイヤモンドピアス。

媚びない冷たさを湛えつつ、地球上の何ものにも屈しない強さを持つダイヤモンドは、私はピアノの音にもふとイメージが重なります。

このピアスのダイヤモンドが揺れるインスピレーションは、たとえば、プロコフィエフのピアノコンチェルト第3番、でしょうか。

征服されない強さとオリエンタルなハーモニーを併せ持つ神秘的で魅力的なこの楽曲が、46億年前のダイヤモンド誕生の神秘とも重なります。

揺れるダイヤモンドを身につけた瞬間から感じる、華やぐ光のオーラ。 耳元で豊潤な煌きが揺れ動くたびに、このピアスをつける女性の存在そのものが、ドラマチックに、毅然と、そしてミステリアスに輝きはじめるのでしょう。

 

春の香港で出会う、耳元で揺らめくジュエリーとクラッシック音楽。

穏やかな海風に揺れる木々の緑と、その間に見え隠れするコロニアル様式の白亜の邸宅。

 

そんな、近所でいつも見る何気ない光景が、揺れるジュエリーとクラッシック音楽にぴったり重なった時、それは光と音楽の幸福なオーラで包まれる特別な時間になるのです。

 

JUN

 

補聴器定期お手入れ & 相談会のご案内

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「認定補聴器専門店」久喜補聴器センター エルサイトウでは、毎月、「認定補聴器技能者」による補聴器定期お手入れ & 相談会を実施しています。

補聴器の調整・電池・クリーニングなど、お使いの補聴器について多くのご相談を承っております。ぜひご利用ください。

3月~6月の補聴器定期お手入れ & 相談会日程は以下の通りです。受付時間は、いずれも午前10時から午後6時までです。

2019年
 3/ 1(金)(定期お手入れ & 相談会)(終了しました。)
 3/17(日)(定期お手入れ & 相談会)
 3/23(土)(定期お手入れ & 相談会)

 4/ 5(金)(定期お手入れ & 相談会)
 4/21(日)(定期お手入れ & 相談会)
 4/27(土)(定期お手入れ & 相談会)

 5/ 3(金)(定期お手入れ & 相談会)
 5/19(日)(定期お手入れ & 相談会)
 5/25(土)(定期お手入れ & 相談会)

 6/ 7(金)(定期お手入れ & 相談会)
 6/16(日)(定期お手入れ & 相談会)
 6/22(土)(定期お手入れ & 相談会)

もちろん、この日以外でも「認定補聴器技能者」が社員として常駐しておりますので、いつでも大丈夫です。(水曜日定休)

なお、お客様のために当店がご用意しております無料試聴器台数は、現在27機種、92台です。機種、台数共に他にあまり例を見ない豊富さです。さらに、補聴器はお客様一人一人にきちんと合わせるため、試聴期間中にも何回かの調整が必要です。お貸出期限は限定しておりませんので、ご納得いかれるまでお試しいただけます。

補聴器のことでお迷いやご不明なことは、どうぞお気軽にお問合せください。(0480-22-3110)

補聴器もプロのお手入れを

専門医によるコンタクト定期検診

contact_c53月~6月のコンタクト検診日時のご案内です。ご自身の眼の健康と安全のために、ぜひ定期的にお受けください。

1978年(昭和53年)にコンタクトレンズの販売を開始した”草分け老舗専門店”として、お客様の安心と安全のために、無料で受診していただけるシステムです。

無料検診日時は、原則として毎月第1、第3土曜日の夕方と、奇数月・第4日曜日の午後です。ウェッブ上では少なくとも3ヶ月先のスケジュールまでご案内させていただいております。

 3月 2日(土) 5:00pm~6:30pm(終了しました。)
 3月16日(土) 5:00pm~6:30pm
 3月24日(日) 3:00pm~5:00pm
 4月 6日(土) 5:00pm~6:30pm
 4月20日(土) 5:00pm~6:30pm
 5月 4日(土) 連休中につきお休みさせていただきます。
 5月18日(土) 5:00pm~6:30pm
 5月26日(日) 3:00pm~5:00pm
 6月 1日(土) 5:00pm~6:30pm
 6月15日(土) 5:00pm~6:30pm

香港STYLE Vol.61 Editions de Parfums (2019.03.02)

香港からこんにちは

 

日常の心を豊かに満たす、自分だけの小さな幸せエッセンス。 皆さまは、どんなものをお持ちですか?

 

たとえば、香り。

週末にゆったりとした気持ちで丁寧に淹れる、香ばしいコーヒーの香りに幸せを感じたり、

祖母から母、私、そしていずれは娘、そのまた娘へ。。。 家族の歴史が、想いと共に受け継がれていくジュエリーが詰まった宝石箱を開ける時にふと香る、思い出の香りだったり、

春色に誘われて買ったブーケの、光と透明感に溢れる優雅なローズの香りだったり、、、

また、自分だけの ”仕立てのいい香り“ を肌に馴染ませ、服の奥からパーソナルに香らせる、お気に入りパルファムだったり。。。

 

 

 

『 EDITIONS DE PARFUMS 』

– 香りの出版社 – 

 

そんなコンセプトを掲げる、ひときわラグジュアリーなパルファム・ブランドをご存知ですか?

自らを “香りの編集者” と位置づける、Frédéric Malle (フレデリック・マル) 氏の創設による、知る人ぞ知る真のラグジュアリー・パルファム・コレクション。

 

『 FREDERIC MALLE 』

 

パルファン・クリスチャン・ディオールの創設者を祖父に持ち、母もその仕事を継承。 叔父はフランス映画監督の巨匠ルイ・マルという、幼少期から、香りと芸術に囲まれて育ったフレデリック・マル氏。 

 

真の豊かさと美しさを讃えるラグジュアリーなパルファムを、現代に蘇らせたいと考えたのが、構想の始まりだったそうです。

 

私の仕事とは、、、と、マル氏は語ります。 

「フレグランス業界で世界最高峰の調香師達に、完全に自由な環境のもとで創造し、自身を表現してもらうよう導くことです。 彼らと私の関係は、作家と編集者の関係に似ています。」

 

1990年頃からのパルファムは、まるで価値が失われたようだったと、マル氏は言います。  

万人を満足させるためようなワンパターンのフレグランスばかりが作られ、ビッグブランドになればなるほど、マーケティング部門はイメージを最重視。 

華々しいボトルやパッケージの開発、フレグランスのローンチイベントの企画や有名人を使った大々的な広告などに、より多くの関心が注がれ、残念なことに、パルファムのクオリティそのものは軽視されていました。

 

ビッグブランドのマーケティング担当者は、香水のクリエイターである調香師に、いわゆる “売れ筋” や同じようなものばかり作ることを求め、真のパルファム・クリエイションは失われていたのです。

それはまるで、F1ドライバーに路線バスの運転をさせるようなものだったのかもしれませんね。

 

パルファムを再び主役に、その価値を取り戻そうとフレデリック・マル氏は、世界でトップクラスのマスター級調香師12人にコンタクトを取ります。

そして彼は、原料にかかる予算や期限の枠を一切外し、彼ら調香師に完全なる創造の自由を約束したのです。

これは、香港で唯一、パルファム・フレデリック・マルを扱う高級セレクトショップ、JOYCEブティック内にある、12人の調香師たちのポートレート。

 

香り、パルファムとしての完成度を追求することのみを条件とした、マル氏と調香師の密なセッションは長期間に及び、実に700回もの試作を経て誕生した伝説的なパルファムもあるそうです。 

ボトルは、最もベーシックでシンプルなものを、マル氏がデザイン。 

唯一のこだわりは、パルファムのクオリティのみ。 マーケティングは一切なし。 大規模なローンチイベントもなし。

各ビッグブランドが、フレグランスのイメージを飾り立てるのにかける予算を、『FREDERIC MALLE』は、ボトルの中のパルファムそのものに投資したのです。

一流の調香師たちが、愛と創造力の全てを注ぎ、思いのままに綴る香りのストーリーは、あまりに美しくあまりに深く、そして叙情的。

 

パルファム『FREDERIC MALLE』コレクションの数々は、他のブランドのものがどれも子供っぽくさえ思えてしまうほど、パルファムの洗練、成熟、品格、そして知性の極みといえると思います。

今までどんなトップブランドのパルファムでも、香水のクリエイターである調香師の名前が表に出ることは、実はありませんでした。 

 

『FREDERIC MALLE』は、その芸術作品ともいえるパルファムを作る調香師たちを、初めて表舞台に押し出し、彼らの名前をボトルに記すことで、“パルファムの作者” として最高の賞賛とリスペクトを表したのです。

本の装丁を模したかのようなシンプルなパッケージは、フレデリック・マル氏が自ら言う ”香りの出版社“ のように、まさにハードカバーの美しい本のよう。

ストーリーを持つタイトルの下には、作家名のように調香師の名が記され、至高の香りを揃えたライブラリーのよう。

 

 

美意識は表現であり、感性。 感性は知性。 そして知性は、真に成熟した文化が持つ、人間に与えられた最も尊く価値のあるものなのではないかと、FREDERIC MALLE』のパルファムを纏うたびに、思うのです。

JUN

 

香港STYLE Vol.60 クリエイションへのオマージュ (2019.02.23)

香港からこんにちは

 

 

Me, I like to make an effort. I like nothing better than concrete reality. 

私自身、努力をするのが好きだ。 明確な現実以上に私が好きなものはない。

 

誰の言葉だと思われますか?

ノーベル賞受賞の物理学者? 

オリンピックのゴールドメダリスト? 

それとも、国際宇宙ステーションISSに搭乗している宇宙飛行士、でしょうか?

 

 

これは、今週2月19日にフランス・パリで85歳の生涯を閉じたファッション・デザイナー、カール・ラガーフェルド氏が、生前、英紙 The Weekend FT (Financial Times 週末版) のインタビューで語っていた言葉です。

 

心から哀悼の意を捧げます。

 

CHANEL、FENDI、KARL LAGERFELD という、3つの高級ブランドのデザイナーを最期まで兼任し、世界のファッション業界中枢にい続けたカール・ラガーフェルド氏。

中でも、CHANELのデザイナー、アートディレクターとして、彼がファッション界に与え続けた影響は計り知れません。

 

ブランド創業者でありデザイナーであったココ・シャネルを1971年に失い、その後、方向性の喪失で低迷していたCHANEL 。

1983年にCHANELとデザイナー契約を結んだカールは、メゾンを再びラグジュアリーブランドとして蘇らせるべく、彼の全クリエイションを余すところなく投入し、その手腕を発揮していきました。

 

繊細で天才的なクリエイターほど時に脆い面があり、それゆえに、自ら道を断ってしまうことも、実は多いもの。 

例えば、クリスチャン・ディオールの元デザイナー、ジョン・ガリアーノ。 ビョークやレディ・ガガ、リアーナにも熱烈に支持されていた、アレクサンダー・マックイーン。

彼らのクリエイションは、オリジナティ溢れる類い稀な才能があったにもかかわらず、天才クリエイターの性ゆえの、ナイーブな運命だったようにも思います。

そんな、浮き沈みの激しいファッション業界において、一度たりとも調子を崩さず、スランプに陥ることもなく、一大メゾンのアトリエを指揮。

コレクションに次ぐコレクションでは毎回、洗練と安定感と圧倒的なクリエイションをもって存在感のある素晴らしいショウを展開し、36年間にわたりCHANELを牽引。

FENDIにおいては、1965年から50年以上にもわたりクリエイションに貢献し、世界のファッション界第一線で活躍し続けてきました。

 

オートクチュール、ファッション、アートという、究極の感性、創造性の世界にあって、実はものすごく地に足のついた現実主義者でもあったカール。 それは、インタビューで語っていた彼の言葉からも分かりますね。

その超人的なバランスが、彼が奇跡に近い偉業を成し遂げた理由の一つだったのかもしれません。

 

 

仕事のペースを落とすことなく強靭な精神力と完璧なまでの自己コントロールによるストイックな生活スタイルで、クリエイションし続けたカール。

CHANELのデザイナー、アートディレクターとして、華やかな創造性と優れた商才を組み合わせ、CHANEL社に巨大な利益を与え続けていったのです。

 

エレベーターに一緒に閉じ込められるなら、誰をパートナーに選ぶ?と聞かれ、『もちろん Choupette (シュペット) だよ』と答える、溺愛の美猫シュペットと一緒のカール。

 

 

1月22日、みぞれ雪が降りしきる、それでも変わらず美しい街、パリ。

今となってはカール最後のCHANELコレクションとなった、2019年春夏オートクチュール・コレクションが先月、パリのグラン・パレで発表されました。

会場は、南欧貴族の館と、初夏の柔らかい陽光が注ぐイタリア式庭園がそっくりそのまま再現された、なんともゴージャスでシックで優雅な空間。

 

いつもはショウの最後に必ず現れるカールが、この時、初めて姿を見せず (香港の自宅から、ライブ中継でショウを見ていました)、もしや体調がすぐれないのではと心配していましたが、今思えばそうだったのかもしれません。

 

 

オートクチュール・メゾンの作り出すコレクションは、一着数百万〜数千万円というお値段も決して珍しくはありません。

とはいえ、昔と同じく最初から最後まで、全てアトリエの熟練したお針子さん達の手作業で、一着につき数ヶ月かけて制作されるもの。 とても採算が取れるものでは、実はないといいます。  売り上げを重視したビジネスとは見なされていないのです。

 

高い縫製技術と芸術的センスが融合した最高級のファッション、オートクチュール。

クチュールへのこだわり、伝統を守ることに格別な想いと使命があり、そこがブランドがブランドたる所以であり深みであり、お金では決して買えない歴史が見せる夢なのかもしれません。

 

CHANELのデザイナーとしてのカールは、常にココ・シャネルの継承人であることを、忘れたことはなかったといいます。

 

しかしカール本人は、自分がCHANELにもたらした変化を、ココ・シャネルは喜ばなかったかもしれない、と生前のインタビューで語っています。

『私がやることをココは嫌がったかもしれない。 しかし、CHANELというブランドのイメージを刷新するのが私の役目だった。 もしココが生きていたら、こんなものを作っただろうという直感は信じて創ってきた。 』

 

ココ・シャネルを常に念頭におくという点では、絶対にブレなかったカール。 しかし、時代の流れを読むことも忘れませんでした。

『生き残る種とは、最も強いものではない。 最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである』  と言った、ダーウィンの進化論を思い出します。

 

しかし当のカール本人は、自分の業績を特にそれほど評価していなかったようです。 亡くなる2カ月程前、回顧録を書いているのではないかという噂を否定していた彼。

 

『何も言うことはないので。 むしろ、私のことは忘れてもらいたい。 そうなるように手配している。』

 

JUN

 

香港STYLE Vol.59 マルチタスクは世界を救う (2019.02.16)

香港からこんにちは

 

街中が賑やかで華やかに彩られる旧正月休みが終わり、すっかりまた賑やかで華やかで、そしていつものマルチタスキーな日常に戻っていった金融国、香港。 

 

香港では、タクシーの運ちゃんもダッシュボードの上に携帯を4、5台並べて、株のデイトレしながら運転、、、そんな光景はごくごく普通です。  (てか運ちゃん、ちゃんと前よく見てね。 あと、スっても暴走しないでね。 言ってくれればすぐ降りる)

 

一つの物事に拘りを持ち続けそれを極め続け、、、なーんて、コスト&タイムパフォーマンスのよろしくない『一つに全てを捧げる型人生』は時間がもったいない!とでも言うかのように、キャリア、資産、あらゆるリスクを数多く分散させ同時進行させる、マルチタスク・マインドが香港民には染み付いています

名付けて『世界中いつでもどこでも即移動可能型人生』

この時代、それは強みですよね

 

また香港は、ジェンダーベース・ディヴィジョン (Gender-based Division) が少ないことでは、アジアの中でもトップ。 

そして毎年アメリカのシンクタンク、ヘリテージ財団と、経済紙ウォールストリート・ジャーナルが発表する、2019年経済自由度指数 (Index of Economic Freedom) でも、香港が25年連続で世界一位。 

財産権の確保、司法の影響、政府の廉潔性、税負担、政府支出、財務の健全性、そしてビジネス、労働、通貨、貿易、投資、金融の自由度。 ほぼそれぞれの項目で、毎年ポイントを増やし続けています

 

これ実は、よく考えると凄いこと。 返還後は金融貿易ビジネスセンターとしての地位が上海に凌駕され、経済集約力を含めた香港の魅力が失われてしまうのではないかという、あの外野の騒動は全くの杞憂であった、と言えるのではないかと思います。 

 

香港のような国際金融センターというのは、国や政府がちょっとやそっと本腰を入れたからといって、そう簡単に出来上がるものではないですし、中国市場をメインに扱うエコノミストや経済専門の報道機関なども、やはり活動は上海ではなく香港なのも事実。

契約、正式合意、条約の協定など、中国マーケットの金融コンセンサスは、ほぼ香港で作られているといっても言い過ぎではないかもしれません。

 

『一帯一路』を半ば強引に押し進める、中央政府の右腕、兼頭脳集団、兼実行部隊のアジアインフラ投資銀行と共に中國建设銀行 (亞洲) (China Construction Bank Asia) による情報伝達、公式報道も、香港の自由度を中国が上手く利用し実現しているものと言えるのではないでしょうか。  

 

香港返還交渉で、結果的にあの英国に譲歩させるほど、強行かつ抜け目ない姿勢を貫いた中国の外交力には、今でも何か底知れぬものを感じますし、また、脈々と受け継がれる中国共産党の、言ってみれば秘密結社のような巨大ピラミッド型掟組織も、有形無形の威圧感といい、香港が常々実感として接しているもの。

 

ですが、香港民の強みである『世界中いつでもどこでも即移動可能型人生』の柱となる、マルチタスク・マインド、そして彼らの「拘らない大らかさと拙速さと図太さ」という素質がある限り、たとえ世界終末時計が30秒進んで零時まであと1分半となる世の中が来たとしても、その頃の香港はまたきっと「そんなのどこ吹く風〜」で、独自の道を見つけていると思うのです

 

心がパッと華やぎ富をもたらすパワーのある、彼らが大好きな、たとえばこんな赤い宝石と一緒に、

 

JUN

 

新しい「認定補聴器技能者証」が届きました。

 

久喜補聴器センターエルサイトウには、3名の認定補聴器技能者が常駐しております。

認定補聴器技能者の資格は約4年をかけて取得できる資格です(現在全国で3681名)が、一度取得しても、5年ごとに資格更新審査を受けなければなりません。

当店の補聴器技能者も昨年末に更新申請で適正と認められ、新しい認定補聴器技能者証とIDカードが届きましたので、ご報告いたします。

久喜市と周辺地区(白岡、幸手、加須、蓮田、宮代、杉戸) の認定補聴器技能者は5名で、そのうち3名がエルサイトウの技能者です。

「ちょっと聞き返すことが増えてきた」とか、「TVの音が大きくなってきた」などがありましたら、補聴器のことを知るチャンスです。ぜひ、お気軽にお出かけください。

 

試聴をご希望の場合は、初回は、カウンセリング、聴力測定(気導・骨導・語音明瞭度)、機種選定、店内試聴、音の調整等を行なうため、約1時半~2時間いただきますので、ご予約(0480-22-3110 水曜定休)をいただけるとスムーズです。

どうぞお気軽に、いつでも、私たち認定補聴器技能者にお任せください!

ご来店をお待ちしております

 

イエローナイフのオーロラ

ご覧ください!この見事なオーロラを

こちらは、当店のお客様 白岡市のK様が、お正月休みにお母様とイエローナイフにご旅行に行かれた時のお写真です。

K様がいかれた時は本当にタイミングよく(K様の日程の前と後の一週間はオーロラが見られなかったそうです)、とても強いオーロラが出たそうです。エメラルドグリーンの帯となって天空を覆い、光の帯がシルクのように柔らかく揺れている様子が伺えますね。

誰もが一生に一度は見てみたいオーロラ。お写真でも感動しちゃうのですから、極寒の中(現地の夜の気温は-25℃以上)で、実際にご覧になられたK様の感動は、言葉には言い尽くせないことと思います。

素晴らしいお写真をありがとうございました

 

 

香港STYLE Vol.58 旧正月の舞獅 (2019.02.09)

香港からこんにちは

恭喜發財 (Gong Hei Fat Choi) !!

新年快樂 (San Nin Fai Lok) !!

 

豚年、明けましておめでとうございます🐷🧧🍊

 

今年は、2月5日に旧暦のお正月を迎えました。 旧正月は、香港でも一年で最も重要で盛大な中華圏のお祝い。

親戚、友人を訪ねて周る賑やかな旧正月の3日間を終え、香港のほとんどの企業や金融機関は、8日からビジネス再開。

さぁ今年もまた楽しくいい仕事をして、お金をたくさん儲けて参りましょう

 

さて、華やかな香港の旧正月を飾るのに欠かせないのが、ライオン・ダンス、

『舞獅』 (Mol Si)

 

英語圏にチャイナタウンが多いこともあり、広く「ライオン・ダンス (Lion Dance)」とも呼ばれてます。

かつてシルクロードを通って中国に運ばれたライオンは、中国文化では「強さ、英知、優越」のシンボル。

 

魔除けをし、幸運や富を招き入れる「招福駆邪」の旧正月ライオン・ダンス『舞獅』は、中国では西暦100年頃から行われてきたそうです。

その後、日本や台湾、マレーシア、シンガポール、ヴェトナムなどに伝わり、ライオンの容姿や内容は各国の民族性に合わせながら、それぞれ伝統芸能として広まり定着していったそうです。

日本のお正月でもおなじみの『獅子舞』は、中国のライオンダンス『舞獅』が元だってのですね。

 

ひと口に『舞獅』と言っても、国土が縦に横に広大な中国。

同じ中国国内でも民族性や地域性の違いは幅広く、例えば地方によっては方言以上に違いがある「殆ど外国語」状態ともなる中国語もそうですし、その地域による違いや個性は、ライオン・ダンス『舞獅』にもよく表れています。

香港スタイルの『舞獅』は、香港、澳門 (マカオ) を含む廣東省、海南省周辺、中国華南地區伝統のもの。 

例えば、北京など中国北部と香港の『舞獅』は何が違うかというと、まずライオンの華やかな色合い

 

縁起のいい赤、金、黄色はもちろん、オレンジ、ネオンイエロー、ネオンピンク、ネオングリーン、ネオンパープル、、、などなど。 とにかく、派手で強いけれど、明るくて温かい色の組み合わせを多様します。

 

そして忘れてならない、中華太鼓とシンバルのド派手でリズミカルな音

 

静寂は福を呼ばず。。。

これは、日常生活からしてまず間違いなく、香港人と香港の街に染み付いている「香港の常識」で、香港ライオン・ダンスの独特の音とリズムとこの勢いは、至極当然の成り行きでこのスタイルになったはず

そして、実際のライオンの動作を模倣している、と香港人は言いはる、要するに彼らが考えるところのライオン・ダンスのあの動き。

で、、、それが、カワユイ〜

 

何がって、その容姿、歩き方、口の開け方、表情、背伸びの仕方、語る背中、尻尾、、、動作の全てが

 

各商店の入り口にぶら下がった利是 (Lai Si。香港版お年玉) 付きのレタスを、、、

頑張って背伸びして取って、、、

 

 

むしゃむしゃむしゃ

 

そして、それを勢いよく吐き出して、福を撒き散らす、縁起のいいライオンくん。

 

利是 (Lai Si。香港版お年玉) の紅封筒も大好きで、、、

 

それに目がないライオンくんは、利是ゲットで、、、

お目目パチクリ瞬きして、どことなく嬉しそう

 

何とも愛嬌のある表情と動作でしょう?

大きな太鼓とシンバルの音、ノリのいいリズムとライオンの舞で縁起を担ぎ、今年一年の繁栄と招福を願う。

そして、利是を貰って福を撒いたら、フサフサの頭の毛と長い睫毛のつぶらな瞳でちゃーんとお辞儀をして、お礼を言ってから次に移ります。

 

香港人の、何をしても憎めない愛嬌ある気質そのものに私には見える、香港旧正月のライオン・ダンス『舞獅』。

 

私が、香港と香港人を愛してやまないもう一つの理由が、ここにもあります

 

JUN