年別アーカイブ: 2019年

香港STYLE Vol.80 休息日の赤 (2019.07.14)

香港からこんにちは

 

日本全国が梅雨明けとなるのは、まだもう少し先のようですね。 

春夏秋冬が鮮明に存在する日本と違って、香港は一年の4分の3.3は夏。

3月頃からぐんぐん上がる湿度は、6〜7月頃にピークになり、この湿度がまたお肌にいいことこの上なし

ですが、香港の湿度は除湿機という可愛いもので対応しきれるようなカワイイ湿度ではないため、建物の中は、ご存知香港名物、極寒最強冷房になるのです。 

とにかく、ここでもやはりタイムイズマネー

高音多湿を一気に飛ばそうとするため、風速レベルは、日本の冷房機能なら必ずある「静か、微弱、弱、中、強」という、利用者のどんなご要望にもお応え致します、な段階的神チョイスは最初からなく、いきなり一択、強のはるか上をゆく最強風速「嵐」

設定温度も、もちろん利用者の都合には合わせない、調節できない、するつもりもない、、という、ないないづくしの10℃設定  

というか、そもそも香港冷房に温度設定などはなく、冷房に関してはオンかオフかの2択のみ。 すなわち、凍るかカビるかの究極の選択を、香港市民は常に迫られているわけなのです

 

という、利用者目線ではなく、完全に設置業者上から目線の香港冷房。 

建物の中は冬のニセコ、外はアマゾン熱帯雨林の地球半周ワープを、香港に居ながら一日に何回も体験できてしまうのです。

 

ですが、このニセコとアマゾンの繰り返しが、どの漢方ジュースを飲むより、「24時間戦えますか」のリゲイン (若者は知るまい。この歌覚えている貴方は立派な昭和人) を飲むより、確実に身体も頭もシャキッとするという、この不思議。。。

身体にいいんだか悪いんだかよく分からないけれど、名付けて、香港式ニセコ・アマゾン血行促進健康法。 医学的根拠はゼロです

 

 

なにはともあれ、こんな毎日、酷寒猛暑を日に何度も体験する極端な環境の香港アスファルトジャングル。

街の雑踏、騒音、サバイバル競争にはいつのまにか慣れますが、大都会ならではの強い磁場という、目に見えない強力なエネルギーが常に渦巻いていることも確かなのです。

 

そんな時、心身共にいいコンディションを保つための意識をすることが大事だなぁとも思うのです。

 

何でも良いのですが、例えば、完全な休息日を確保することや、その休息日に自分が喜ぶお洒落をする、好きな風景だけをただ見に出かけたり、好きな場所で好きな読書に没頭したり、又は、な〜んにもしないと決めて本当に何もしない、、、などなど。

 

そんな、純粋に自分のためのわがままな時間を大切にする自由な精神が、心身共にいいコンディションと若々しさを保つ秘訣のような気がするのです

 

公私ともに責任のある立場になればなるほど、仕事でも家の中でもやることは次々と発生、寝不足続きでちょっぴりエンジン稼働不足になったりしますよね。

何かのために、誰かのためにめいっぱいエネルギーを注いだなら、週に一度の休息日は純粋に自分にフォーカス。 

そこで、私がやってみて効果絶大だったのが、一点「赤」を身につける、ということ

 

赤というと、エネルギーに満ち溢れた情熱的なイメージの色でもあり、休息日に見ると余計疲れてしまうかな?と思ったら、むしろその逆。 

躍動的で活力があり、華やかでちょっぴりドキドキする「赤」は、休息日の幸福感を倍増させ、新しい翌週のスタートが待ち遠しくなるほど豊かな英気につなげてくれる、特別な色なのです。

 

ポイントは、小さな面積に一点だけ取り入れること。

真っ赤なワンピースやジャケットを一枚サラリと着るのもお洒落上級者ならとてもステキですが、大きな面積ではハードルが高いと感じるなら、ハンドバッグやシューズ、リップ、ジュエリーなどを、他とシンクロさせることなく、どれか一点だけ赤にしてみる。

すると不思議。 どんなにカジュアルな休日の装いでも途端にグッと華やかになり、血色もよく見え、気分も上がり表情まで明るく、といいことづくめ

 

ビジネスシーンで外に向けたプレゼンテーションの赤ではなく、休息日に身につける、自分が喜ぶ自分のための、赤。

 

そんな小さな赤の楽しみを、一点取り入れてみてはいかがでしょう。

またもう一つ、幸せの歯車が回り始めるのをきっと実感するはずです

 

JUN

アートトーク<エミール・ガレ、アール・ヌーヴォーの華>を開催いたしました。

第9回 EL SAITO アート・トーク 7月6日(土)~8日(月)の3日間開催いたしました。

19世紀末にヨーロッパで開花したアール・ヌーボー(Art Nouveau)芸術。その代表的な芸術家の一人 エミール・ガレ(ガラス工芸家)の人生を通して、日本美術との深い関わりと、彼がフランス近代史にどう絡んだのかを約2時間にわたり、じっくりご紹介させていただきました。

<エミール・ガレ、アール・ヌーボーの華>として、大きく2つのテーマに分けての内容です。
① アール・ヌーヴォーとは?
② エミール・ガレをより深く理解するためのキーワード

3日間で約100名の方にご参加いただき、皆様熱心に資料に目を通しながら聞き入られていました。

皆様のご感想を少しご紹介いたします。

*ガレの作品が大好きで、今日はとても楽しみに来ました。ジャポニズムがガレに大きな影響を与えたこと、また、その時代の歴史背景を知ることで、より深い興味を持つことができました。楽しかったです。

*東京に出かけなくても、こんな近くで、こんなに素晴らしいセミナーを聞くことができるなんて嬉しいわ。

*最近出かけることが少なくなってきちゃって、こうしてエルサイトウさんへ出かけることができて、みなさんとお話しできることも楽しい。

*毎回楽しみに来ています。知らなかったことを知ることができる、いくつになっても勉強ですね。

*娘も興味を持ったので、家族3人で参加させていただきました。想像していた以上に素晴らしいお話しで、次回も楽しみです。また、3人で参加させていただきますね。

*前回の「長谷川等伯」のお話を伺ってから京都に行くことがあったので、智積院に行ってきました。お話しを伺っていたので、「桜図」「楓図」を見ることができて、本当に良かったです。

次回 第10回 アートトークは、9月28日(土)~30日(月)
テーマは「ファン・ゴッホの世界」です。

どうぞお楽しみに!

 

 

香港STYLE Vol.79 スパイスとコントラストと艶 (2019.07.07)

香港からこんにちは

スコールの合間にはこんな高い青空が見られる香港。 街にも表情というものがありますね。

たとえば、少しずつ色味が異なる同系色を丁寧に重ねていき、奥行きのあるワントーンを作り出すのがイギリスや北ヨーロッパの街並みや街に合うお洒落だとしたら。。。

異色、異素材、反対色を狭い範囲に集めることで、メリハリと立体感が表れすっきりとした華があるのが香港の街並みであり、この街に似合うお洒落。

クラッシックでもモードでもスポーティーでも、ヨーロッパが得意とするのが、ニュアンスとマットなお洒落。 そこへいくと香港は、スパイスとコントラストと艶のお洒落、なのではないでしょうか。

 

 

ところで、よく言われる、香港の女性は強いですよね〜という、賞賛とも、場合によってはその逆とも取れる、でも100パー紛れもない事実のこのウワサ。

もっとも、男性がこれを言う場合と女性が言う場合では、それぞれ「強い」の意味合いが若干違ってたりもするのですが、まぁそれを話し始めると、「男性は火星から、女性は金星からやって来た」生物学的なそもそも論からスタートするはめになり、面倒なことこの上ないので、ここではバッサリ割愛 私のお得意「それはさておき論」で進めます

一般に、強い、自信家などの誉れ高き香港女性ですが、早い話、それは事実か否か?という話になった時、、、

 

はい、事実と思いますわ。 私の目から見ても

骨格が大きい西洋人女性がお得意とする権利や主張の押しの強さは、一見彼女達を屈強に見せますが、香港の女性を前にすると、なんのなんの意外と繊細だったんだと霞んで見えるくらい、タフで自信家で美しい私の周りの香港の女性友人達。 恐るべし、愛すべき存在です。

香港の友人達の行動力は側から見ていても頼もしく清々しく、圧倒的にメンタルが大人。 でもその行動力が、自信だけによるものではない、ということも長い付き合いの中で次第に見えてくるのです。

彼女達とて生身の人間。 誰もがオギャーと生まれた赤ん坊からスタートして、最初から自信のある人なんているはずもなく。。。

メンタルが大人の彼女達の行動のベースにあるのは、自信ではなくて、好奇心。

そう、好奇心があるからやってみる。 それが経験になる。 そしてそれが自信となり、次の行動がまた好奇心を生み出す。。。

 

 

 

 

簡単そうに見えて、人間どこかで未知のものを前にするとつい、余計な不安を頭で想像しては躊躇してしまうもの。

でもそのラインをスパッと切り、頭や知識では選ばない、基準は自分の直感。 そう、自分が好きかどうか。

そうやって軽やかな足取りで前へ次へと進む香港の女性達は、やっぱりタフでスピーディーで自信家で、そして内面から美しいのです。 

 

今まで手に取ったことのなかった翠色の宝石を、初夏のお洒落に一つ取り入れてみる。

 

鮮やかな緑色のサテンのシャツで、気が向いたら夏のポジティブな陽気を演出してみる。

ピシッと糊の効いた白いシャツにタッセルネックレスを合わせて、コンサバティブにドラマチックに遊んでみる。

 

2019年も後半に入り、そんな香港スタイル、翠色のスパイスとコントラストと艶をさっとお洒落に取り入れてみるのも、案外素敵かもしれないですね。

 

JUN

 

 

専門医によるコンタクト定期検診

contact_c57月~9月のコンタクト検診日時のご案内です。ご自身の眼の健康と安全のために、ぜひ定期的にお受けください。

1978年(昭和53年)にコンタクトレンズの販売を開始した”草分け老舗専門店”として、お客様の安心と安全のために、無料で受診していただけるシステムです。

無料検診日時は、原則として毎月第1、第3土曜日の夕方と、奇数月・第4日曜日の午後です。ウェッブ上では少なくとも3ヶ月先のスケジュールまでご案内させていただいております。

 7月 6日(土) 5:00pm~6:30pm(終了しました。)
 7月20日(土) 5:00pm~6:30pm
 7月28日(日) 3:00pm~5:00pm
 8月 3日(土) 5:00pm~6:30pm
 8月17日(土) 5:00pm~6:30pm
 9月 7日(土) 5:00pm~6:30pm
 9月21日(土) 5:00pm~6:30pm
 9月22日(日) 3:00pm~5:00pm

補聴器定期お手入れ & 相談会のご案内

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「認定補聴器専門店」久喜補聴器センター エルサイトウでは、毎月、「認定補聴器技能者」による補聴器定期お手入れ & 相談会を実施しています。

補聴器の調整・電池・クリーニングなど、お使いの補聴器について多くのご相談を承っております。ぜひご利用ください。

7月~9月の補聴器定期お手入れ & 相談会日程は以下の通りです。受付時間は、いずれも午前10時から午後6時までです。

2019年
 7/ 5(金)(定期お手入れ & 相談会)(終了しました。)
 7/21(日)(定期お手入れ & 相談会)
 7/27(土)(定期お手入れ & 相談会)

 8/ 2(金)(定期お手入れ & 相談会)
 8/18(日)(定期お手入れ & 相談会)
 8/24(土)(定期お手入れ & 相談会)

 9/ 6(金)(定期お手入れ & 相談会)
 9/15(日)(定期お手入れ & 相談会)
 9/28(土)(定期お手入れ & 相談会)

もちろん、この日以外でも「認定補聴器技能者」が社員として常駐しておりますので、いつでも大丈夫です。(水曜日定休)

なお、お客様のために当店がご用意しております無料試聴器台数は、現在27機種、92台です。機種、台数共に他にあまり例を見ない豊富さです。さらに、補聴器はお客様一人一人にきちんと合わせるため、試聴期間中にも何回かの調整が必要です。お貸出期限は限定しておりませんので、ご納得いかれるまでお試しいただけます。

補聴器のことでお迷いやご不明なことは、どうぞお気軽にお問合せください。(0480-22-3110)

補聴器もプロのお手入れを

香港STYLE Vol.78 海とサファイアとコンテナ船


香港からこんにちは

香港で、私が一番に心惹かれる光景があります。 それは、摩天楼と光の空間芸術、ビクトリアハーバーの100万ドルの夜景でもなく、アジアのディープ&チープ、何でもアリが面白い旺角 (Mong Kok) のストリートマーケットでもなく、大人数でワイワイ、週末の飲茶レストランの明るい喧騒でもなく、、、

 

香港の海

 

いくら考えても明確な答えは出てきませんが、なぜにこうも、香港の海が好きなのだろうかと思いを巡らせるほど、これはもうきっと感覚で好きなのだろうと思うのです。

しかも、水平線以外な〜んにも見えない、天国に一番近いようなリゾートの海、という景色より私が好きなのは、ずばり、、、

 

交通量の多い、海

波しぶきをあげて進む、離島を結ぶ高速フェリー。 埋め立て用の土を運ぶ三角塔を乗せた運搬船。 シネマルームやジムまで付いた、贅を尽くした個人所有の大型クルーザー。 数千個もの大きなコンテナを運搬する全長400メートル近くもある巨大コンテナ船。 ぷかぷか浮かぶ地元の人達の無数の小さなフィッシングボート。。。

 

それら大中小様々な船舶が、目の前をひっきりなしに行き交う、物流と人流の香港の海。  そんな光景が大好きなのです。 

 

特に、海上をいく大型コンテナ船を観察するのは、私のオタク的隠れ趣味といってもいいくらいで (言ってしまったので、もう隠れてませんが)、南シナ海の航行ルートから青馬大橋 (Tsing Ma Bridge) をくぐり、波風一つ立てずに悠々と進む大きなコンテナ船と海の風景は、実際に目にするたびに、なぜか心震えるほどの美しさを感じるのです。

 

前日までに全ての積荷を終え、早朝一番で出港したコンテナ船が、朝日を受けながら真っ青な大海ルートに出て行く悠然とした後ろ姿。

夕方には、日没前の入港に間に合った安堵感を称えて (キャプテンの気持ち?)、夕陽に照らされながら香港入りする黄金色の大型コンテナ船と、遠目にはまるでパヴェダイヤのようにきらきら輝く香港の海。

 

船舶の行き交う海が見える場所を特に好むからでしょうか。 自然と海に調和する色、たとえば、紺碧色、翠色、白、赤といった大人のマリンカラーが、今までの私のベーシックカラー、北ヨーロッパ的なオフホワイトや黒、紺、ベージュ、グレージュといった色に加わるようになったのです。

 

紺碧色

 

紺色とも藍色とも違う、深く、でも深すぎない情熱と知性をバランスよく兼ね備えた色ではないでしょうか。 

 

一瞬で何も見えなくなるほど周りが真っ白になる激しいスコールの後。。。

目の前に再び姿を現す香港の海は、より深い紺碧色を湛え、

その色彩の変化は、期せずしてブルーサファイアやカシミールサファイアを連想させるようで、実は私が香港で最も「好き」を感じるひとときなのです。

 

 

サファイアは、産地が重要な宝石の一つです。

小粒に研磨され、パヴェセッティングなどのジュエリーに使われる多くのサファイアは、オーストラリアやカンボジア、ナイジェリア産。

 

大粒で美しく最高級のサファイアの主産地は現在、ミヤンマー、スリランカ、マダガスカルとなっています。

 

大粒の無処理のブルーサファイアは、本当に力強い美しさを秘めていて、スコールの後の香港の海の色彩のようなのです。

 

ブルーサファイヤの中でも極めつきの最上級『カシミールサファイア』は、インドとパキスタン国境付近にあるカシミール地方、標高4000メートルの高地バッダール渓谷で、山崩れによって露出した岩壁のくぼみから、1880年代始めにたまたま発見されました。

その後僅か数年で枯渇し、1887年までには最上質の大型結晶のほとんどは採りつくされたと考えられている、幻のサファイアです。

ヴェルヴェットのような、シルクのヴェールが石の中にかかっているような、なんともいえない魅力的なブルー。

このカシミールサファイアは、今ではオークションなどで目にすることができるのみの、大変希少価値のある宝石なのです。

 

人間のDNAに刻み込まれた記憶とは不思議なもので、全ての生物の命が海から始まったように、また、宝石となる鉱物が地球から生まれたように、原点回帰ということに、どこか無条件で惹かれるものなのかもしれないですね

 

JUN

第9回 EL SAITO アート・トークのご案内

第9回 EL SAITO アート・トークが近づいてきましたので、最終のご案内をさせていただきます。

日程: 2019年7月6日(土)~8日(月)の3日間

時間: 午後2時~4時

会場: 当社3Fの EL コンサートサロン

ご都合のよい日程をお選びいただけます。ご参加は無料ですが、ご希望の方は入場整理券をご用意いたしますので、ご連絡ください。 0480-22-3110

<エミール・ガレ、アール・ヌーボーの華>
ジャポニズムが強い影響を与えた世紀末の芸術とは?

19世紀末にヨーロッパで開花したアール・ヌーボー(Art Nouveau)芸術。その代表的な芸術家の一人 エミール・ガレ(ガラス工芸家)の人生を通して、日本美術との深い関わりと、彼がフランス近代史にどう絡んだのかをじっくり見ていきます。美術を通して社会史を見ると、とても面白い風景が見えてきました。

今回は、こんな楽しい美術の見方をご紹介できたらと願っております。

ご案内は美術史探索を長年の趣味としております、エルサイトウ店主の齋藤恵です。

香港STYLE Vol.77 ラグジュアリーの原点 (2019.06.23)

香港からこんにちは

 

 

 

 

 

『Luxury is the ease of a t-shirt in a very expensive dress』

Karl Lagerfeld

『ラグジュアリーとは、高価なドレスの中のTシャツのような心地よさである』

 

今年2月に85歳で逝去した、ファッション・デザイナーのカール・ラガーフェルド (Karl Lagerfeld) 氏の追悼イベントが、6月20日パリのグラン・パレで行われました。 

 

真の贅沢とは、自分がデザインする高価なドレスそのものではなく、またドレスが高価に見える、見せることでもなく、ドレスの中に存在する、たとえば、真っ白いシンプルなTシャツを着る時のような、洗練と安らぎ。

そして、そのような感性を受け止めることのできる、ドレスを纏う者の自由な心と余裕。 心の在り方だよ、ということです。

 

カール・ラガーフェルド氏はファッションデザイナーでしたから、この場合ドレスで例えていますが、ドレスでなくても、そうだと思うのです。お洒落も仕事も日々の生活も人間関係も、衣食住全て。

本物のラグジュアリーだけが持つ、完成された緊張感と、その中にあるひとさじの安らぎ。

 

今回は、そんなラグジュアリーの中にある幅、についてです。

私達の周りには、ハイエンドなものもあれば、ラフなものもあります。  この小さな国土面積に、本当にいろいろな国籍、バックグラウンドを持つ人達が暮らす香港も同じです。

 

皆それぞれがお気に入りの基準を持ち、お洒落や衣食住に関しても日々の生活の中で選択し、毎日手に取り、それらを使って時間を過ごし自分の人生ができているのですから、心が自然とワクワクするもの、安らぐもの、笑顔が輝いて見えるもの、時間、人に囲まれた人生を送りたいですよね。 

カールは生前よく、外見や身なりを整えることの大切さについて語っていました。

 

 

『A respectable appearance is sufficient to make people more interested in your soul』

『尊敬に値する見た目は、人があなたの中身に興味を持つのに充分な効果がある』

尊敬に値する見た目とは、高価なものや新品を身につけていることでなくてよいのです。 それがその人の姿勢だったり、笑顔だったり、人間関係だったり、家族から受け継いだヴィンテージのペンダントだったり。。。

 

また、彼はこうも言っています。

『Never use the word “cheap”. Today everybody can look chic in inexpensive clothes (the rich buy them too). There is good clothing design on every level today. You can be chicest thing in the world in a T-shirt and jeans ー it’s up to you』

『”安物“ という言葉は使ってはならない。今の時代は誰でも、たとえ安い服を着ていても、シックになれるのだから。 お金持ちだって安い服は買う。 いろいろな値段で良いものが買える時代だ。 ジーンズとTシャツだけでも、世界一シックな人になれる。 全ては、その人次第ということ』

服に着られない、物に持たされない、時間に使われない。 結局は、自分の内面にフォーカスなのですね。

お洒落においても様々な失敗や後悔を繰り返し、その度に学んできた人生の時間が、年齢を重ねるにつれセンスの味わい深さとなる。 そして、もしたとえ一枚のTシャツを着ても、最高にシックに見える。

 

 

 

そんな、いつでも原点に帰れる幅の広さ、覚悟と潔さと大胆さを兼ね備えた、孤高で自由な女性は素敵だなぁと思うのです。

 

こんな華やかなパールのブレスレットをつけているのに、ブレスレットではなく、なぜかその人自身にばかり視線がいく。 

そんな、物と対等な関係が築けるようになった頃、女性は輝きを増していくのでしょう。

JUN 

 

ブログ「香港STYLE」を1年半、1度も休まずに継続中です!

昨年(2018年)1月にスタートしました当サイトのブログ「香港 STYLE」がおかげさまで大好評です。書かせていただいているのは、香港で生まれ、現在も香港に住んでいるエルサイトウの親族のひとりです。地元にすっかり溶け込んでいないと見えてこないようなアレコレを中心にご紹介させていただいているのですが、毎週、週末に新しい記事をアップしております。アクセス解析では、ずいぶんと大勢の皆様にお読みいただいているようです。

本日、2019年6月18日(火)現在、約1年半、おかげさまで1度も休まずに継続いたしました。(365日は、ほぼ52週間ですので、1年間で記事を52回アップしました。今年は53回目から開始して、現在76回目になっております。)

観光案内にはない、ちょっとディープな香港を味わっていただけますので、未だご覧になっていない方は、ぜひお試しください。中国のゴリ押しに抗議した、世界史に残るような200万人のデモにも現場の目撃者として立ち会ったようです。ご一読いただけたら、とてもうれしく存じます。

香港STYLE Vol.1 プロローグ ご挨拶 (2018.01.07)

ご期待ください。

香港STYLE Vol.76 香港人の香港 (2019.06.16)

香港からこんにちは

 

香港政府が推し進めようと、今年の春頃から頻繁にニュースにもなっていた、香港の『逃亡犯条例』改正案。 

もしこの条例が香港立法会で可決されれば、香港で容疑者として身柄が拘束された者は (それが外国人であっても)、中国本土に引き渡すことが可能になるという法案です。  

1週間前の日曜日には、香港市民7人に1人という約103万人が、シンボルの白いTシャツを着て、香港中心部で紳士的な改正案反対デモを行いました

 

週半ば12日には、予定していた立法会の改正案審議を阻止するため、今度は、皆が怒りを表す黒いシャツを着て、主に学生を中心とした民主派と香港警察が、警察庁や立法会のある官庁街 Admiralty と 金融街 Central で激しい衝突

正面に見える、下部がくびれた不思議な形をしたビルが、中国人民解放軍駐香港部隊ビル。 その右奥に見えるグレーのガラス張りの大きなビルが、香港特別行政区政府ビルです。

 

香港人だけでなく、日本や日本人にも直間接的に関係がある得るかもしれないこの法案改正に対し、日本ではインターネットニュースで見ることは多少あっても、先週のデモ当初、テレビのニュースではほとんど報道されていなかったそうで、非常に驚きました。

 

15日になって香港政府は、立法会での条例案改正審議を延期、年内の審議入りはなしと発表。 

ですが、それはまるで、牙を剥いたライオンがその牙を一旦引っ込め、着実に確実に獲物を包囲し捕獲のチャンスを狙い、そしてその時が来たら一気に畳み掛ける、、、そんな野生動物界を想像させます。

香港が大国に翻弄される運命は、イギリスに割譲されたあの時に、もしかしたら既に決まっていたのかもしれません。

しかし、そもそも返還される対象が租借契約時の清朝ではないのですから、今の中国が正式な後継受け入れ国家というには、香港人のDNAが受け付けられないのは当然といえば当然でしょう。

返還は、本来ならば香港人の意思により、帰属の在り方が決められればよかったのでしょうが、植民地帝国主義思想の英国政府がそんな民主的なことをするはずもなく、中国との返還交渉では、当の香港市民の声は完全に蚊帳の外。 英国と中国の国益合戦となったのです。

 

時代は流れるとはいえ、英国は最後の最後まで白々しく、本当に罪なことをしたものです。

 

本土の共産主義体制を逃れて港に移ったものの、現代中国史のあの混乱の記憶もまだ生々しかった1997年返還時には、それができる環境にあった人の多くは香港を離れ、海外に移住。 その後、外国の市民権を得て、仕事などの理由で再び香港に戻ったとしても、多重国籍を保持しています。

 

時代に翻弄され続けながらも、強く生きる香港人は、よく彼らのスピードと行動力がフォーカスされますが、それは、深い思考があってなおのスピードと行動力。

運命のサバイバーとしての最強頭脳の要素を持ち合わせていると、私は日々香港人と付き合う中で素直にそう思い、彼らを尊敬するのです。 

 

いつの時代にもどの世界にも存在する、権力の横暴や理不尽といったものに翻弄されながらも、香港人の知恵と意志と行動力はDNAに受け継がれ、お節介なほど助け合い精神の親や家族、社会を身近に見て育つ環境が、強いだけでなく温かい人間を作り、それに、もしかしたら、広東語という世界で最も難儀な言語を操る一種の勘の良さが、どんな状況になっても最適な判断を選び出す彼らの直感力に磨きをかける、、、と言ったら、考えすぎでしょうか。。。

 

いずれにしても、私の知る周りの香港人の、のびのびとしながらも大局的な教養の高さは、運命からのサバイバーならではのような気がしてなりません。

大局観という教養は、例えば、東大に入ることだけが目的になってしまっているような狭い価値観や勉強では、身につきにくいでしょう。

日本は豊かになり過ぎたがゆえなのか、いつのまにか自分の頭で考える、人間の最も尊い才能の一つを放棄してしまったようにも思えるのです。

 

正しく主張をするとはどういうことか、という訓練もされないまま、単一民族同士で過度に忖度する習慣だけが変化できずに残り、そんな日本の一面を、国内外からの視点で長らく見ていると、とても複雑な気持ちになるのです。

ほんの数十年前まで、豊かでなかったどころか、慣れ親しんだ住む土地を捨ててまで、身一つで新しい土地でスタートする試練を覚悟で、それでも、言論と表現の自由な社会で生きることを選んだ香港人たち。  彼らには、どんな過酷な状況でも決して放棄しなかった、深い思考があるのです。

 

香港人がよくお守りとして身につけている、翡翠。 深くまろやかな翠色は、彼らの強さと優しさををそのまま表しているようで、本当に魅力的です。

 

 

ルビーのように、エネルギッシュでダイナミックで、情熱的なところも、香港人の魅力。  

これは長い付き合いをしないとなかなか見えてはきませんが、普段底抜けに明るく強い香港人の彼らには、ふとした一瞬に見せる、影のようなものがあるように感じるのです。 それが、極上のルビーの中に見られる、色の陰影とも似ていて、こんな魅力的なルビーを見ると、つい香港人を思い出します。

 

 

凛とした輝きと主張をもって、困難にも毅然と立ち向かう香港人の意志の力強さは、まさにダイヤモンドのよう。

おかしいこと思うことを、おかしいときちんと主張する、そんな、清さと潔さとキレの良さを持つ香港人。 それは、地球上で最も硬い鉱物である、ダイヤモンドが持つ高貴な輝きと同じような気がするのです。

 

香港人の中の香港精神は、彼らがどんな状況下になっても、翡翠のように、ルビーのように、そしてダイヤモンドのように、世代を超えて永遠に受け継がれていくのでしょう。

 

JUN