月別アーカイブ: 2015年10月

「玉(ぎょく)」と呼ばれる宝石 翡翠

Christie's Hong Kong 2006.06-04

中国の人たちが最も好む宝石の一つに翡翠(Jedeiteジェダイト)があります。

古代エジプトの女王クレオパトラは、エメラルドをこよなく愛したと言われますが、同じ緑色でも中国では、3千年の昔から翡翠は「玉」(ぎょく)と呼ばれ、皇帝や時の権力者の象徴とされてきました。なるほど、「玉座」とはそのシンボルだったのですね。

中国最後の王朝、清朝末期に強大な権力を持った西太后も、翡翠を熱愛した女性として有名です。時々、クリスティーズのオークションに、素晴らしい翡翠の装身具が出ますが、もしかしたらその出所は、清朝崩壊時の混乱で散逸した西太后のコレクションだったのかもしれません。

翡翠(ひすい)という名前の由来は、青緑の羽を持つ鳥の名前の翡翠(カワセミの異称)からきたものです。ちなみにこの鳥は、雄を翡(赤)、雌を翠(緑)というのだそうです。

古来中国では、翡翠は仁、義、礼、知、信の五つの徳を持つものとされていました。翡翠を象徴する言葉は「福徳」「福財」「幸運」、だれでも望む真に最高の「福」です。

またこの宝石は、邪気を受け止めて正しく判断し、混乱から抜け出す力を与えてくれると言いますから、「魔除け」としてのパワーも強いようです。

翡翠は、緑以外に、白、ラベンダー、黄、赤など、多くの種類がありますが、中でも美しいのは、「ろうかん」と言われるしっとりとした半透明の深く澄んだ緑
色です。

ねっとりとしてとろっと固まったようなコクのある緑・・・・エメラルドのように光を反射するのではなく、逆に光を吸収し包み込むような深い色目とソフトな感触は、例えようのない美しさです。そのとろけるような美しさをじっと見ていると、いつの間にか吸い込まれていくような陶酔感を感じてしまいます。

産地は唯一、ミャンマーのみで、近年特に希少性が高まっています。硬度は、6.5~7度で、水晶よりやや柔らかいのですが靭性が高く、ハンマーでたたいても簡単には割れない程の丈夫さをもっています。なんだか、見かけはスウィートですがシンの強い淑女のようですね。

中国のある王様は、たった一個の翡翠を手に入れるために、十五の城を交換条件に出したのだとか・・・・・それほどの魅力、わかるような気がします。

素晴らしい色の世界 オパール

Black Opal

オパールは10月の誕生石、てんびん座の守護石です。

青、水色、緑、黄緑、赤、朱色、山吹色、黄色・・・・・ この宝石は、色の輝きが見る角度によって彩に移り変わるのが魅力です。

その色彩は、あるときは優しく、またあるときは情熱的に、まさに変幻自在の色の魔術師ともいえるでしょう。そんな色彩の変化を宝石の専門用語では、斑(ふ)の遊色効果(プレイ・オブ・カラー)と表現します。ちなみに、オパールの語源は、サンスクリット語の「宝石」という言葉だとされています。

オパールの主な産地はオーストラリア、メキシコですが、他にも、ブラジル、インドネシア、アメリカ、ホンジュラス、タンザニアなど。

種類は、ブラックオパール、ホワイトオパール、ファイアーオパール、ウオーターオパール、ボルダーオパールと色々ありますが、いずれも複雑な色合いで、柔らかい宝石の部類に属します。(モース硬度 5.5~6.5)

オパールは、昔から日本の女性にたいへん愛された宝石でもあります。水を含んだような、オパールのしっとりとした輝きと肌触りは、和服の色合いにも調和して奥行きのある品格を感じさせるからでしょうか。

オパールの美しさを例えるとしたら・・・ モネの睡蓮、夕焼けの空、錦秋、朝霧、多彩な魅力の大人の女性・・・・・・とても一言では言い表せません。

オパールを象徴する言葉は、安楽、忍耐、名誉の保護。優しい微笑みの中に、我慢強さと誇りを持つ素敵な女性像を思い浮かべました。

オパールって・・・・・やっぱり魅力的ですね。

サファイアはお好き?

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フランソワーズ・サガンの小説に「ブラームスはお好き」というのがありましたが、サファイアについて書こうと思ったとき、なぜかふと、この言葉が浮かんでまいりました。小説の内容はすっかり忘れてしまったのですが、ブラームスの旋律とサファイアのイメージがどこかで重なったのでしょう。

サファイアはお好きですか?

サファイアと言えば、イングランドの元皇太子妃ダイアナさんを思い出します。ドラマティックな生涯でしたが、サファイアの似合う女性として今でも私の心に残っています。ブロンドの髪、西洋人特有の肌色と瞳の色、そして時おり見せるはにかんだような優しい表情に、サファイアの深く澄んだブルーが映えて、彼女の美しさを際立たせておりました。

ダイアナさんが着けていたサファイアは、イギリス王室に代々伝わる宝石で、ロイヤルブルーと言われる美しい深い青色のブルーサファイアです。

サファイアという名称はラテン語の「青」を意味する「サフェイロス」に由来します。

サファイアの石言葉は、誠実、真理、慈愛、貞操。誘惑や不純なことから遠ざける力があり、真面目な人が好む宝石ともいわれています。また、冷静な判断力をつけることから、財運アップの効果もあるとのこと。

ブルーサファイアの魅力は、何といっても吸い込まれるような深いブルーですね。ルビーと同じように、産地によって特徴がありますが、その美しさを表現する言葉をいくつかご紹介いたします。

コーンフラワーブルー、矢車菊の青、ベルベティブルー、ロマンティックブルー、ロイヤルブルー、カワセミのブルー、インクブルー、ミッドナイトブルー、

どれも素敵な表現ですね。どんなブルーか見てみたくなります。

サファイアはお好きですか?
・・・・・私、(*’▽’)大好きになってしまいました。

美しい赤色

Christie's Hong Kong 2006.06-02

秋は、真っ赤な紅葉や赤いリンゴなど、あちこちで目にする赤い色が、豊かな季節の華やぎを感じさせてくれます。ルビーの赤い色も、身に着ける女性の心に華やぎを添えてくれるように思います。

前回のブログでは、ルビーの存在は、地球から生まれた全くの偶然であり、きわめて奇跡的なものだとお話しいたしましたが、今回は一歩進めて、その「奇跡の赤色」についてちょっと探ってみたいと思います。

ルビーの語源は「ルベウス」。ラテン語で「赤」を意味します。最も美しいルビーの赤は、ピジョン・ブラッド(鳩の血色)と表現されますが、それはいったいどんな赤なのでしょうか。

ピジョン・ブラッドとは最高級のルビーの色のことで、この色のルビーは、ほとんどがミャンマーで産出されます。やや濃い目の赤色で、内側から妖しいまでの輝き(業界用語ではテリと言います)があり、見た人を魅了させるパワーがあります。黒みの原因になる鉄などの不純物がほとんどなくて、クロムの含有率が1%ギリギリの場合にだけ、その「美しい赤色」が生まれるのです。

また、タイ産のルビーは、ミャンマー産のものと比べると、やや黒みを帯びた赤色ですが、それは鉄イオンが幾分含まれているせいです。その他、スリランカ産は、明るい色調で透明度も高く、チェリーピンクと呼ばれます。

このように、ルビーの色は産地によって様々な特徴がありますが、いずれも見事な華やかさと情熱を秘めた宝石です。また、ルビーはダイアモンドに次いで硬い石(モース硬度9)ですから、耐久性にも優れていて、代々受け継がれていく宝石としてもふさわしいものだと思います。

何十年か後に、「このルビーは私のひいおばあさまが持っていたものですって!」と、子孫の誰かが自慢にしてくれるかもしれませんね。(*^^)v

 

美しい奇跡 ルビー

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地球から生まれた奇跡とも言える美しい石、ルビーのお話です。

ルビーの石言葉は「情熱」「愛」「威厳」。持つ人に自信を与え、夢や希望を叶えてくれると言われています。

ルビーの赤い色を見るだけで、何やら心のときめきを感じますし、身に着けると明るい気分になり、不思議にパワーが湧いてくるような気がします。

それは多分、ルビーの赤い色のせいでしょう。では、ルビーはなぜ赤いのでしょうか? その秘密をちょっと探ってみました。

ルビーは実はサファイアの一種なのです。サファイアと言いますと、ブルーを連想される方が多いと思いますが、サファイアには無色のものから、青、赤、橙、緑、藍、紫など、ほとんど全ての色があります。そして、その中の赤色のものだけがルビーと呼ばれるのです。ですから、ルビーは「赤色サファイア」と言ってもよいのです。でも薄い赤だと、ピンク・サファイアと呼ばれてしまいます。

サファイア類はコランダムと言われる鉱物なのですが、そこに偶然、不純物としてクロムが1%ほど混入すると赤いルビーが誕生するのです。1%よりも多くても少なくても、美しい赤にはなりません。しかも鉱物学的には、このコランダムにクロムが混じることは、ほとんどあり得ないことなのだそうです。ですから、ルビーは、その存在自体が本当に奇跡的な宝石と言ってよいと思います。

もしもルビーをお持ちでしたら、あらためてご覧になってください。その赤い色はあり得ないほどの偶然から生まれること、そしてそのルビーは、世界に一つの奇跡的な存在であることも実感していただけることでしょう。

時には宝石箱から出してご自分のルビーを楽しんでくださいね。(*^_^*)

私のプライベートスポット

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エルサイトウの店内には、毎日たくさんのお客様が様々なご用でお見えになります。

メガネ、コンタクト、補聴器、時計、ジュエリーの修理・リフォームなどなど、それぞれの部門の専門スタッフが忙しく承っております。

そんな中で、こんなお客様もいらっしゃるんですよ。

月に1回か2か月に1回、毎回お買い物があるわけではないのですが、店内のディスプレイをぐるっと一回りなさって、エル・カフェのいつものお席(その方は指定席とおっしゃいます)でコーヒーを召し上がりながら、雑誌(EL・カフェ付属の雑学ライブラリーの)を読んだり、合間にスタッフと少しおしゃべりしたりして、ゆったりと小一時間ほど過ごされるのです。

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その方がおっしゃるのに、「ここは私のプライベートスポット、居心地よくて大好きなところです。ここで一休みすると、疲れもいやなこともぜーんぶ忘れてしまいます。素敵なメガネもあるし、時にはジュエリーコーナーをのぞいてみたり、スタッフの皆さんとのちょっとしたおしゃべりも私を元気にしてくれるし、おまけに美味しいコーヒーまでいただけて、こんな幸せな場所はほかにありません。だからここは私のプライベートスポット!」

喜んでくださるお客様でしたら、私たちはいつでもWelcome!です。
どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。

ジュエリーの季節

美しい季節になりました。

木々の緑が少しずつ秋色に変わっていきます。山のほうではもう、紅葉が始まっているのでしょうか・・・

衣替え・・・ ジャケットも、薄手のものから、少し温かみのあるものに変えてみました。夕暮れなどは、ウールのカーディガンが欲しくなりますね。

ジュエリーも変えてみようかしら・・・

去年買ったパールのロングネックレスも、汗の心配がないから大丈夫!

上着の生地が厚くなったので、大好きなブローチも楽しめます。

ざっくりしたセーターには、ちょっと大ぶりのロングチェーンもいいなぁ。

そうそう、あのリングとこのブレスレットで新しいコーディネートも・・・

と、宝石箱をのぞいて、あれこれ楽しんでいます。

周りが秋色になったら、旅行じゃなくても旅行気分になれそうです。

秋のファッションにはジュエリーが似合います。

秋は、ジュエリーの季節ですね!(^^♪

40歳のバースデー・プレゼント

Sapphire Sautoir

9月8日から11月29日まで、上野公園内の東京国立博物館で「ブルガリ展」が開催されています。

アート オブ ブルガリ130年にわたるイタリアの美の至宝

かねてからとても興味を持っておりましたが、つい先日、行ってまいりました! 期待以上の出品内容で、おおいに感動させられました。

ブルガリの創始者、ギリシャ系イタリア人のソティリオス・ブルガリスが1884年(明治17年)にローマでシルバー細工の店をスタートさせてから、およそ130年間に制作されたジュエリーの数々が展示されております。

王侯貴族、マハラジャなど時の権力者から、新興ブルジョアやハリウッドのスターたちへと、ジュエリーを愛する人々の移り変わりと同時に、そのデザインの変化も見ることが出来て、個人としてもジュエラーとしても、大いに楽しむことが出来ました。

中でも目を引いたのが、写真のペンダントネックレス。このジュエリーは、かのエリザベス・テーラーが、夫、リチャード・バートンから40歳の誕生日にプレゼントされたものだそうです。

「この宝石こそ、君の美しさにふさわしい・・・」と言って贈ったのでしょうか。

65カラットもある大きなカボション・カットのサファイアを、小粒のダイヤモンドとサファイアを使ってアールデコ風な端正なデザインで取り囲んだこのペンダントは、この時代の傑作と言えるでしょう。(1969年制作)

サファイアは、その色が示すように冷静な判断力と知性を高め、精神を静める石と言われます。また、優美な美意識を育み、外的な災難から身を守る力があるとされています。

サファイアという宝石は、人生の半ばを迎えた最愛の女性に贈る最高の賛美とエールかもしれませんね。

う~ん・・・・・その美しさに思わず唸ってしまい、しばしその場を離れることが出来ませんでした。

ジュエリーは女性の人生・・・生き方に寄り添うものだと思います。

ご自分の宝石箱をもう一度開けてみてください。一つ一つのジュエリーには、それぞれに素敵な思い出が詰まっているはずです。

エリザベス・テーラーのジュエリー・コレクションは世界的にも有名ですが、その中からエピソードをひとつご紹介させていただきます。

晩年になって彼女は、すばらしい大粒のエメラルド・リングを「エイズ撲滅基金」に寄付しました。「これは多分、リチャードが初めて私に贈ってくれたジュエリーよ!」穏やかな微笑みを浮かべて、懐かしそうに言ったとか・・・・・。

そして、チャリティ・オークションでその指輪を購入したアメリカ人夫妻に、「Wear it with love !」(愛を込めて使ってくださいね!)という手書きのメッセージを添えた手紙を送りました。(会場にはその手紙も陳列してありました。)

エリザベス・テーラーのそんな自筆の手紙は、なんだか、そのすばらしいエメラルドリングと同じくらいの価値があるのでは、と思ってしまいました。ジュエリーには本当に様々な思い出や歴史があるのですね。

ゆずり念珠

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最近、念珠を持つ機会が増えたように思います。心を込めて祈るとき、念珠はその想いを伝えるための大切な道具です。

「ゆずり念珠」という言葉をご存知ですか?

念珠は一般的には、それをお使いになっておられた方が亡くなられた時には、棺に一緒にお納めするものなのですが、珊瑚の念珠だけは「譲り念珠」と言って、例外的に、ご家族のどなたかに譲ることが出来ると昔から言われております。

珊瑚は、美しい海の深いところで、気が遠くなるほどの長い年月をかけて育つ有機物です。ジュエリーとしての美しさを持つサンゴは、大人の小指くらいの大きさになるのに、なんと50年もの歳月を要するというのです。これも地球が育む奇跡ですね。

珊瑚は世界的にも、とても大切にされてまいりました。フランスやイギリスでは生命誕生、出産のお守りとして、イタリアでは無病息災を願って、中国では特に赤い珊瑚は不老長寿や縁起の良い宝石として絶大な人気があります。日本でも、昔から珊瑚は女性のお守りとして必ず身に着けたいものとされてきました。

そのような珊瑚の希少性と、お守り的な存在価値が「ゆずり念珠」として代々受け継がれていく所以となったのでしょう。

こんなお話を聞きましたら私も「ゆずり念珠」が欲しくなって、早速、珊瑚のメーカーさんにお願いしていくつか見せていただくことが出来ました。赤、白、桃色、オレンジ色と、何種類かありますが、いずれも優しい美しさを秘めております。念珠としてだけでなく、お守りとしていつもバッグに入れておくのもいいなあと思いました。

珊瑚は資源が年々減っていく一方で、ますます希少になっていくようです。せっかくの機会ですから、お客様にもご紹介したいと思い、厳選したお品をお取り寄せしております。ご興味のある方は、スタッフにお問い合わせくださいませ。

最後のメガネ

先日、とても悲しいお知らせを頂戴いたしました。

昔からずっと、ご家族皆様でエルサイトウをご愛顧いただいているお客様ですが、おばあちゃまがお亡くなりになられたとのことでした。

かなりご年配でしたが、あんなにお元気だったのに、とても残念です。もう、あの優しい笑顔が見られなくなるんですね・・・・・

そういえばその方は、2年ほど前に、エルサイトウで素敵なメガネを新調なさっておられます。

久しぶりに、お里帰りのお嬢さまとご一緒にいらして、楽しそうにフレームをお選びになりました。あれこれと迷われたのですが、担当スタッフのおすすめした明るい色合いの、ちょっとおしゃれなフレームに決定。

「私には派手じゃない?・・・もう年ですから・・・」と、その時は躊躇なさいましたが、その後たいへん気に入っていただき、いつもご愛用になっていたそうです。

あのおしゃれなメガネをかけて、ニコニコなさっていらした優しい笑顔を思い出します。そしてあの時、素敵なフレームをおすすめして本当によかったと思いました。

はからずも、その方にとっては最後のメガネとなってしまいましたが、「おしゃれなメガネの素敵なおばあちゃま!」思い出す度にそんなイメージが心に残ります。

きっと天国でも楽しんでいらっしゃることでしょう。心からご冥福をお祈りいたします。

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