香港STYLE Vol.7 香港の旧正月 ⓶ (2018.02.17)

文化香港スタイル

恭喜發財

 

今年は、2月16日に旧正月を迎えた香港。

2018年の干支、戌年の象徴は「冒険」「興奮」「遊び心」だそうです。

ユニークで新しいものが大好きな香港人。 そんな彼らが好きそうな、ハンサムなブルドッグ君を見つけました

実はこの子、家庭用のステレオスピーカー

戌年にちなんで、今年はこんなスピーカーで音楽を楽しむのもいいですね

 

さて皆さんは子供の頃、お正月といえば何が楽しみでしたか?

お節? 餅つき? 箱根マラソンの観戦?

うふふ、私は「お年玉」だったかもしれません

お年玉の入ったポチ袋を受け取って喜んでいたあの頃から、随分と月日は経ちました。 今どきの日本のお年玉は、オンラインバンキングで送金されたりもするとか。 これも時代の流れなのでしょうか。

 

ここ香港でも、旧正月にお年玉をあげる伝統があります。

香港版お年玉は、広東語で 利是 (ライシー)。

こんな華やかな赤い封筒に入れて渡されます。

 

中華圏で赤は、幸運と福をもたらす縁起の良い色。 旧正月に赤い色のものを身に付けると、その年一年間強運に恵まれると言われています

 

キャッシュレス社会の香港ですが、旧正月の利是だけは必ず、赤い利是封に現金を入れて手渡すというのが伝統です。

お札も新札が縁起が良いとされ、新札への交換のため銀行窓口が混み合うのも、香港の旧正月直前ならではの風物詩。

 

では、日本のお年玉とはちょっと違う、香港の利是とは。。。

 

その一。 既婚者が、家族親族内の未成年者 (子、孫、その他)、そして未婚者へ。

この際、既婚者側も未婚者側も年齢はほとんど関係ありません。 そう、年齢に関係なく社会人でも未婚者であれば貰うだけでオッケー (とは言ってもさすがに、いつまでもとはいかないようですが。。)

また、華僑は大家族であることが多く、遠縁の親戚でも頻繁に交流し合う密な家族関係。

よって家族親族内での利是だけでも、結構な人数になります。

 

その二。 親しい友人知人の子供、職場や身近にいる親しい未婚者へ。

いい部下をたくさん持つ上司は、幸せだけど利是は大変ってことですね

パーティ好きで人懐っこくグループで行動することが大好きな香港人は、親しい友人知人も多いわけです。 となるとやはり、ここでも配布人数は一気に増える。。。

 

その三。 いつもお世話になっている人達へ。

例えば、自分が住むマンションや親族が住むマンションそれぞれのコンシェルジュ、ドアマン、警備員、駐車場やお掃除などの管理スタッフ、また、常連のお店やレストランの担当者、などなど。 挨拶をするような間柄であれば基本的に、すべて。

いろいろ助けになってくれる自宅マンションのスタッフにはちょっと多めに渡しておくなど、さりげない工夫もいざという時に功を奏したりして。。。 などとという、侮れないこのカテゴリーの利是

ちなみにその彼らへの金額は?

20〜100HKD (約¥280〜1400) が一般的。 普段どれだけお世話になっているか、また今後どれだけお世話になりそうか (なるつもりかなど、相手との関係の近さでも金額は変動します。

 

ということで、香港で利是をあげる範囲はとても広く、人によっては相当な人数になるわけです

香港旧正月の大切な伝統、利是。 良好な人間関係を築く香港社会の潤滑油でもあるんですね。

 

 

恩徳や感謝を循環し身辺に仲間を増やすことによって富を繁栄させてきた、華僑らしい伝統の一端でもあるのかもしれません。

 

恭喜發財! 新年快樂! 萬事如意!

今年も皆さまにたくさんの幸運が訪れますように

 

JUN

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