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香港STYLE Vol.41 海に祝福された街 (2018.10.13)

香港からこんにちは

 

翡翠色の南シナ海と迫りくる岩山の間に、華麗に花開いた国際都市、香港。

 

この街はさまざまな時代のうねりをしなやかに乗り越え、世界有数の国際金融貿易都市として輝きを放ち続けていますが、意外にもあまり知られていないのが、香港の自然の豊かさ。

例えば、ヴィクトリアピークのウォーキングコースから香港を見下ろす時、コースを一周する短い時間で2つの全く違った景色を見ることができるように、近代的大都市と豊かな自然という対照的な贅沢が、手の届くところに共存しているのが香港の魅力なのです。

 

ヴィクトリアハーバーに面した、エネルギッシュでドラマチックな大都市。 

 

裏香港の、穏やかで大らかで全てを包み込むような、海と空と太陽の自然。

 

物質的な贅沢を超えたその先にある、ラグジュアリーでサステナブルな香港。 そんなところこそが、本当の香港スタイルだと思うのです。

 

香港には235の島々があり、ビルが建っている部分は実は陸面積全体の3割弱。 残りは自然公園や自然保護地区で、とても自然が豊かです。

 

「東洋の真珠」と称されるこの街にとって、中でも海は特別。 ヴァカンスやレジャー、社交の舞台でもあり、香港繁栄の要となった海運ビジネスの舞台でもある海。 

香港には、海の見える場所は多数ありますが、中でも香港島南西部から見る海は格別です。

特に海岸の高台を走るヴィクトリア・ロード (Victoria Road) や サイバーポート (Cyberport) から見る西の海は、実は香港で私の最もお気に入り。

 

海のすぐ目の前に広がるグリーンのオープンスペースに寝転がって、高い空を見ながら海風を感じ、遠くに響く大型船舶の汽笛の音を聞いているだけで、心がゆったりと穏やかになります。

いい気の流れだけが満ちる、最高に贅沢な空間。

 

パライバトルマリンを思わせる青緑色の海に、どこまでも続く高い空。

 

オープンエアの船上ダイニングも楽しめる、すぐ近く住む住人所有の真っ白なクルーザーが係留していたり、

 

世界全体が一瞬ゴールドに染まる、神々しいほどに美しいサンセットも。

エレガントでダイナミックで心地よく、豊かさに満ちた香港の海は、唯一無二の宝石のような美しさと尊さがあるような気がします。

 

香港は、本当に不思議な街です。

 

世界地図で見ると小さな「点」に過ぎませんが、この街の真価は国土の大小や人口という尺度を遥かに超えた、街や人の成熟度、洗練度、多様性、多面性、未知の可能性などが織りなす密度の濃さであり、それらはダイヤモンドのように永遠に輝き続けるに違いないと、海を見るたびに思うのです

JUN

 

香港STYLE Vol.14 楽園の休日 (2018.04.07)

香港からこんにちは

香港の学校は、今どこもイースター休み (復活祭の春休み) 。 5月頃から始まる高温多湿の本格的な雨季&夏を前に、香港の人達は様々な屋外活動に繰り出しま

屋外スポーツやスポーツ観戦、キャンプ、遊園地、ヨットやボート遊び、バーベキュー、そして、、、

 

ハイキング

 

今回は香港人にも人気の、日帰りハイキングスポットをご紹介します。

 

南Y島 (Lamma Island)

南シナ海に浮かぶ南Y島は、香港島の南西に位置する島です。

香港島、中環 (Central) のフェリーターミナル4番乗り場から、榕樹灣 (Yung Shue Wan)行きの定期便フェリーで約30分

さぁ出発

 

南シナ海の色は日によって少しづつ違って見えますが、晴れていると本当に柔らかできれいなブルーグリーン色

 

香港の人達が、富と長寿のお守りとしてよく身につけている翡翠の色ともよく似た海の色。 そんな海をボーッと眺めながらのフェリー時間。

いつもは香港島から見ている南シナ海を、今度は海から香港島を見ながら、フェリーは水しぶきをあげて進みます

 

そして行き着いた先には、柔らかい陽射しに包まれた穏やかな景色が

 

つい先ほどまで目にしていた金融街の高層ビル群、60階建の高層住宅、煌びやかなインターナショナルブティックの数々、、、あれは蜃気楼だったのかしら?と思うような別世界が、そこに広がります。

 

1980年代頃から、香港郊外の住宅区としての役割を果たすようになった南Y島。
それまでは、島内に20あまりの小さな村が散らばる香港の離島でした。 従来島に住む人々は、稲作と漁業で生計を立てていたそうです

島内の細い道は、物を運搬する小さなトラクターこそ時々走りますが、車はなし。 車は禁止ですので、信号機もありません。 自転車が、彼らの移動手段です

時が止まったかのような低層一戸建てのゆったりとした街並みや、人口密度の低さ、自然の豊かさ。

贅沢で煌びやかでマテリアリスティックな合理主義という側面も併せ持つ、香港の都市生活の全てをひと通り経験した人達、特に西洋人を惹きつけ、静かなヴィレッジライフに憧れて、敢えてこの島を住居に選ぶ高給エグゼクティブもいます。

 

フェリー乗り場のすぐ近く、ローカルショップの並ぶハイストリートのような所を通り抜け、さぁ、ハイキングのスタート

 

木々に囲まれたハイキングコースは、ごく緩やかな登りの傾斜。  コース全体の傾斜はそれほどきつくないので、子供から大人まで楽しめます。

一説によると、一日に歩く距離が世界で一番多いのは香港人なのだとか。  もっとも、単純に「歩く距離」というよりは、彼らは行動のスピードが早いゆえ歩く距離もそれに比例して多くなる 、というのが正しいような気もしますが

とにかく、香港人は行動的。 歩くの大好きです

 

時々、可愛らしい色の小さな野花に見惚れてみたり、パパイヤの実のなる木を見上げてみたり

 

ハイキングコースの要所ごとには、案内標識も出ているので安心。 まず迷うことはありません。

 

そして南Y島の有名なビーチ、洪聖爺灣泳灘 (Hung Shing Yeh Beach)。

木々に囲まれたグリーンのトンネルを歩き続け、ふわっとひらけた場所に出た時の、心の開放感とちょっとした脳の脱力感。

誰もが幸福になる瞬間です

 

ビーチを過ぎると、再び細く緩やかな登り坂のハイキングコース。

 

一人で考え事をしながら、時々ボーッと景色を眺めながら、一緒に来た人達とノンストップでお喋りをしながら。 それぞれが好きなスタイルで思い思いに自然を楽しめるのも、ハイキングの醍醐味ですね

そしていつのまにか私達は、見晴らしのいい山頂パビリオンへと導びかれていきます。

 

辿り着いた南Y島の山頂からの眺め。

 

高層ビルや街の騒音はどこにもありません。 あるのは、海と空と山。 空気は澄み渡り、時折どこかから聞こえる鳥の声。 目の前には、どこまでも続く海が広がります

 

山頂でゆっくり景色を楽しんだ後は、今度は緩やかな下り坂。 いくつかの集落を通り過ぎながら、島の反対側にある帰りのフェリー乗り場、索罟灣 (Sok Kwu Wan) という村を目指して歩きます。

途中、山の中腹から見下ろす南Y島の漁村や、彼方にうっすらと香港島も見えはじめ、また少しずつ楽園から日常の世界に戻って行くかのよう。 その感覚もまた、とっても不思議でなぜか愛おしい。

 

 

ハイキング最終地点、索罟灣のフェリー乗り場周辺には、海鮮レストランがたくさんあり、フェリーまで時間があればぜひこちらで食事もおススメです。 シーフードの新鮮さは最高級。 生け簀から取って調理してくれます

 

南Y島のサンセットを眺めながら食べる新鮮なシーフード料理は、歩き疲れた身体を癒してくれる格別のお味。

 

どこまでも静かでどこまでもきれいで、どこまでも穏やかな南Y島の自然。

ものすごくドラマチックな何かがあるわけではありませんが、いつの間にか心に沁み入る、自然と人間の優しい調和があります。

 

帰りのフェリー、香港島に連なる高層ビルの煌びやかな夜景が見えてくると、それはそれでなぜか私達をホッとさせてくれる、そんな優しさもある香港。

国際近代都市であり、南国の楽園。

香港を訪れたら、こんな楽しみ方もおススメです

 

JUN