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香港STYLE Vol.9 海からの贈り物 (2018.03.03)

海に囲まれ、亜熱帯性気候と海洋性気候それぞれの良いところを合わせ持つ香港。

地理的な優位性と海運に有利な地形の恩恵を受けながら、アジア随一の貿易港として発展してきました

 

南シナ海の航海ルートにつながる、香港島の南西部。 そこには、どこまでも続く高い空と翡翠色の水を湛える大きな海が広がります。

 

朝靄に覆われた海、遠くで長く響く船舶の汽笛。

高く登った太陽の下で、水面に真っ白な水しぶきを描きながら目の前を横切る高速客船。

夕暮れ時の帰り道ふと立ち止まると、語りかけられているような柔らかい海の香り。

そんな何気ない一つ一つの瞬間、海と香港と生命体としての自分が、パズルのピースのようにぴったりと合ったかのように、とても不思議な満たされた感覚になります。

 

古くから海は女性を表すのだそうです。  それゆえその海を守る神様は、男性。

ローマ神話ではネプチューン、ギリシャ神話ではポセイドン、日本神話でも大綿津見神 (おおわたつみのかみ) という、全て男性の神様なのだそうです。

そのためか、船は必ず女性として扱われ「she」と呼ばれますね。

 

また、女性が航海を指揮すると海が嫉妬して荒れ狂うから、古式ゆかしい船舶の世界は今でも圧倒的に男社会なのだという、ちょっぴり夢のある話も聞いたことがあります。

 

海に囲まれた香港がいつの時代も運に恵まれてきたのは、この街が、海の神様に守られてきたからなのかもしれません。

 

 

40億年前、地球に誕生した海。 気の遠くなるような時間をかけて、ゆっくりと生命を生み出してきた海。

女性がその人生で何度も生まれ変わるように、海には創造と再生という、神秘の力が秘められているような気がしてなりません。

 

母なる海から生まれる奇跡、それが「真珠」と「珊瑚」です。

洋の東西を問わず、古来より人間のお守りとして大切にされてきたこの「海の宝石」は、私達の生命力と創造力を高めると言われています。 身につけるたびに記憶のどこかが懐かしさを感じる、不思議な魅力があります。

 

「純潔」「長寿」「富」のシンボル、真珠。

クレオパトラに愛され月の雫とも言われる真珠は、古代ギリシャ神話で愛と美の象徴として人々の心を癒してきました。

 

真珠の持つ波動には、気持ちを優しく鎮め人に安心感を与えるヒーリング効果があるそうです。 また古くから、枕元に真珠を置いて眠ると安眠をもたすと言われ、女性の美容と健康のお守りとして大切にされてきました。

真珠は、母貝が自らの分泌物によって異物を包みこむことによって美しく産み出されることから、妊婦や安産のお守りとして、母から娘、孫へと受け継がれていく宝石になったのです。

 

「長寿」「聡明」「幸福」のシンボル、珊瑚。

珊瑚は古くから、怪我を防ぎあらゆる危険を退ける大きな力が宿つ宝石と言われています。

 

古代ローマ時代には、剣闘士がお守りとして兜の中に珊瑚を入れたり、航海に出る船乗りが護符として肌身離さず身につけていたそうです。 また、妊婦や子供の成長を守る宝石としても、珊瑚は古くから大変貴重なものでした。

特に深い赤色の珊瑚は、身につけると血行が良くなり、体温と身体の回復力が上がると言われています。

また香港では、女性が19歳になると祖母や母から娘に赤珊瑚が贈られる、美しい習慣があります。

ぴたりと満月の夜にだけ珊瑚が産卵するのも、月が女性の美しさと切っても切れない密接な関係にあるのも、珊瑚と女性は、何か目に見えない不思議な力で結ばれているような気がします。

 

 

すべの生命の源「海」が創り出す神秘、真珠と珊瑚。

それは、海という幸運を授かった地球から、私達への美しい贈り物ですね。

JUN