タグ別アーカイブ: ザ・ペニンシュラ香港

香港STYLE Vol.25 ザ・ペニンシュラ香港⓷ ペニンシュラで朝食を (2018.06.23)

香港からこんにちは

 

『東洋の貴婦人』と称される名ホテル、ザ・ペニンシュラ香港。

 

世界中からコスモポリタンが集うミックスカルチャーのこの街で、1928年の開業以来、高い美意識を持ち世界中の人々を魅了し続けています

 

ザ・ペニンシュラ香港といえば、英国式アフタヌーンティーが有名ですね

ホテルの正面玄関を入ると、メインロビーの左右に広がるのが、カフェ・ダイニング『The Lobby』(ザ・ロビー)。 

 

午後はピアノ四重奏の生演奏が流れ、アフタヌーンティーをお目当てに訪れる人も多いと思いますが、私が密かに気に入っているのが、こちらでいただく朝食

朝ですので人も少なく、ゆったりと深呼吸をするように、心豊かな時間を過ごせるんですよ

 

開放感のある高い天井、ラグジュアリーな漆喰の柱、支柱や天井に施されたクラシカルな装飾、アクセントのグリーンが鮮やかな植物など、すべてが朝の空気の中でキラキラと輝いています

でもそれらは、あくまでもザ・ロビー・ペニンシュラ香港の脇役たち。 そう、主役は、この空間を心から楽しむゲスト達なのだということを気付かせてくれる、そんなホスピタリティに溢れています

 

ザ・ロビーでおすすめのテーブルは、大広間を反対側まで見渡せる奥の窓際

 

こちらに座って朝一番にいただくコーヒーや紅茶、フレッシュジュースは、身体に染み込む目覚めの一杯

 

そしてもちろん、食事もそれぞれ格別な美味しさです。

ザ・ロビー特製フレッシュフルーツ・ミューズリー。

ミューズリーに関しては、世界中であらゆるミューズリーブランドを試し続けコダワリのある私が、これは美味しい!と太鼓判を押すクオリティ

ミルクの染み込み加減が美味しさのポイントにもなるミューズリーは、サーブされるタイミングも大事。 ドライフルーツの種類と量も適量で、ミューズリー本来の美味しさが生きているのは、さすがペニンシュラ香港です。

新鮮なフルーツがたっぷり乗ったミューズリーと、フレッシュ・キャロットジュース。 ザ・ロビーでの、定番爽やか朝食メニューです

 

たっぷりバターと4種のジャムが付いた、日替わりペイストリーも、可愛くて上質な美味しさ。

ミニ・パンオショコラ、パンオレザン、ショーソンオポムなど、丁寧に淹れられたコーヒーや紅茶にぴったりです

 

特製ソースの表面にオーブンでちょっぴり焦げ目のひと手間を加えた、オリジナル・エッグズベネディクト。

ソース表面はパリパリ、中はソースも卵もトロトロ

ベースのイングリッシュ・マフィンは、本場イギリス以上のクオリティで、誰もが幸せになる美味しさです。

この一皿で元気いっぱい、朝のエネルギーは満タンです

 

絶妙なこんがり焼き加減のハムが付いた、ふわっふわのオムレツも、奇をてらわないけれどきちんと作られていて、正統派の美味しさ。 リピートしたくなる定番メニューです。

 

ペニンシュラ特製、りんごのコンフィチュールがついた、厚切りデニッシュのフレンチトースト。 

お好みでメープルシロップをかけていただく、ほんのり甘い一皿は、自然と笑顔が溢れます

 

大きな窓からは朝の光が振り注ぎ、爽やかな空気に包まれるザ・ロビーは、一日のスタートにぴったりの場所

ダイナミックシティ香港には、こんな穏やかな朝もあります

 

透き通ったいい気が流れる、プレシャスな空間と美味しい朝食。 真のラグジュアリーで私達をもてなしてくれる、朝のザ・ロビー・ペニンシュラ香港。

 

香港を訪れたらぜひ、ひと時を過ごされてみてみてはいかがでしょうか。 きっと、心で感じる豊かさを体感できると思います

 

JUN

 

香港STYLE Vol.24 ザ・ペニンシュラ香港⓶ 都会のオアシス (2018.06.16)

香港からこんにちは

『スエズ運河より東で最高のホテルを』

構想当初に掲げられたオーナー一族の理念通り、オープン以来、世界のラグジュアリーホテル最高峰であり続ける、ザ・ペニンシュラ香港。

 

東西文化が出会い、伝統とモダンが融合するこの街で、アジア近代史とも運命的な関わりを持つ ザ・ペニンシュラ香港は、今年の12月でオープン90周年を迎えます

 

今や巨大な国際都市へと変貌した香港では、静かで人の少ない空間というのは、実は最高に贅沢なもの。

ザ・ペニンシュラ香港の中にあるショッピングアーケード『The Peninsula Arcade』(ザ・ペニンシュラ・アーケード) は、そんな贅沢なひと時を過ごせる、香港のオアシスなのです

 

 

ホテルのある尖沙咀 (Tsim Sha Tsui) は、九龍サイドで最も賑わいを見せる商業地域。

多様な人種の人々が行き交い、競うように看板や竹の足場が道路にせり出し、隙間なく商店が軒を連ねる。 そんな、混沌としたエネルギッシュな雰囲気です。

 

また、ブランドショップが多数入る巨大ショッピングモールや、ブティックが入場制限をするほど旅行客で混み合う高級ブランド路面店も集まる、一大ショッピングエリア

 

そんな賑やかな場所にありながら、外とはまるで別世界、ゆったりとお買い物を楽しめる空間が、ザ・ペニンシュラ・アーケードなのです。

 

緩やかな時間の流れる豊かな空間は、いいものを知り尽くしたジェットセッター達が、長くご贔屓にするのも頷けます

 

アーケードは、本館地下〜1階〜メゾネットフロアまで、全3フロア。

ブティックは、コの字型のホテル建物の形に沿って配置され、とてもシンプル。 分かりやすく見やすく、歩きやすい構造になっています。

 

ちなみに、フロアプランの簡潔さは、訪れる人が居心地よく過ごせるかどうかの実は大きなポイント

香港には、上手に的を得た空間デザインの建物が多く、この街の繁栄と彼らの非凡なビジネスセンスは、こんな視点がベースにあるのかもしれないなぁと思ったりもします

 

それでは、フロアごとに少しご紹介致しましょう

まずは、地下フロア。

メンズ、レディース、スポーツウェアなどの、比較的カジュアルウェアの店舗が揃いますが、中でもお勧めは『The Peninsula Boutique』(ザ・ペニンシュラ・ブティック)。

チョコレートは、個人的にはここのものが世界一のペニンシュラ・チョコレートや、紅茶、ジャム、ビスケット、ケーキ、ロゴ入りカップやペニンシュラ・ベアなど、ここでしか購入できない商品が多数揃っています。

また、店頭に並ぶとあっという間に売り切れてしまうペニンシュラ特製マンゴープリンは、とびきりの美味しさ!  購入してお部屋でいただくゲストも多いのだとか

 

フロントロビーのある、グランドフロア (1階)。

 

ペニンシュラ建物外側のショーウィンドウに並ぶ高級ブランドからも分かるように、Chanel、Goyard、Louis Vuitton、Ralph Lauren といったファッションブティックが揃います。

そして、Bvlgari、Cartier、Chanel、Harry Winston、Piaget、Van Cleef & Arpels などの高級宝飾や時計のブティックなど世界の高級ブランドショップが、このフロアにズラリと並んでいます。

ショウケースを見て歩くだけでもうっとりの宝飾品の数々は、定番デザインから最新コレクションまで、いち早く見ることができるんですよ

又、ロビーの中心部には、季節に沿ったオブジェや現代アートが飾られ、クラシカルな内装とのハーモニーが斬新でお洒落でユーモラス

チキン

 

そして、メゾネットフロア。

メインエントランスからまっすぐに伸びた先にある絨毯敷きの階段が、アーケードのメゾネットフロアへと導きます。

 

そして、階段を上がったところで目にするのが、GRAFF (グラフ)。

 

The King of Diamond (ザ・キング・オブ・ダイアモンド) と謳われる、グラフの創業者であり現会長 Laurence Graff (ローレンス・グラフ) 氏が一代で築いた、ロンドンに本店を構える宝石商です。

グラフのダイアモンドは、世界最高峰。

ブルネイや世界中の王族を顧客に持つグラフのジュエリーは、女性を美しく飾る装飾品以上に、大きさもグレードも投資対象クラスの圧倒的な傑作品です

また、シャネルの上顧客プライベートアポイントメントで使用される『Chanel Salon Privé』(シャネル サロン プリヴェ) もメゾネットフロアに入っています。

 

イギリスの伝統を受け継いだテイラーメイドの紳士服 Ascot Chang (アスコット・チャン) や、翡翠や瑪瑙を使った自分だけの印鑑が作れる Tang (タン) など、香港ならではの逸品にも出会えます。

 

 

過去から現代、そして未来へ。 時空を旅するような成熟のひと時、夢と感性の空間、ザ・ペニンシュラ・アーケード。

 

ザ・ペニンシュラ香港には、永遠に色褪せることのない普遍的エレガンスに溢れた『奇跡』があるような気がします

JUN

 

香港STYLE Vol.23 ザ・ペニンシュラ香港⓵ (2018.06.09)

香港からこんにちは

九龍半島の先端に建つ、壮麗なコロニアル建築の建物。 皆さまも、きっとどこかでご覧になったことがあるかもしれませんね。

 

ザ・ペニンシュラ香港

(The Peninsula Hong Kong/香港半島酒店)

 

 

華麗なる都市の歴史を刻んできた、アジアを代表する最高級ホテル。

各国のVIP、セレブリティ、ジェットセッターたちの常宿。 そして世界中にあるペニンシュラ・ホテルの総本山です。

 

噴水のあるホテル正面車寄せには、ペニンシュラグリーンのゲスト送迎車、ロールスロイス・ファントムが並び、エントランスでは2頭の獅子像が人々の平安出入を見守り、ゲストを温かく迎え入れます。

このロールスロイス・ファントムのグリーンカラー「ブリュースターグリーン」は、ペニンシュラ専用に調合されている色だそうで、どの自動車メーカーも、他の顧客向け車両に対して用いることは許されないのだそう。

 

正面エントランスでは、白の制服制帽のドアマンやベルボーイがゲストと和かに会話を交わし、館内に一歩足を踏み入れると、ピアノ四重奏の生演奏が流れる1階「The Lobby」で、英国式アフタヌーンティーを楽しむゲスト達。

「東洋の貴婦人」と称されるエレガントで格式のある、ザ・ペニンシュラ香港。

そこで目にする一瞬一瞬は、全てが幸せな記憶。 そして時を経るごとに、想い出がより鮮明になっていく、それがペニンシュラ・マジックなのかもしれません

 

東洋と西洋のラグジュアリーが融合するこの最高級ホテル、今回からいくつかのキーワードに分けてご紹介していきたいと思います。

香港という国際都市と、アジア近代史とも密接な関係があるザ・ペニンシュラ香港にはいったい、どんな秘めたストーリーがあるのでしょうか?

 

時は産業革命後の1830年代。 イギリスは、インド支配に飽きたらず綿製品とアヘンの販路拡張先として、中国大陸への進出を見計らっていました。

当時イギリスのビジネスモデルは、英国・印度・中国の三国間で商品を取り回す三角貿易。

その頃、インドに強力な基盤を持ったユダヤ系財閥のジャーディン・マセソン商会とサッスーン商会。 この2社が、イギリスへの紅茶の輸出、そしてアヘン取引という麻薬貿易の総元締めとして暗躍する2大商社でした

 

香港の、貿易港としてのポテンシャルを充分に理解し、本格的な中国侵略の足がかりが欲しかったイギリスは、無茶苦茶な理屈で中国清朝との間にアヘン戦争を勃発させます

かたや大砲を搭載した蒸気船のイギリス海軍軍艦に対し、中国の清軍は人間操作による木造帆船。 勝敗は、火を見るよりも明らかでした

そして中国にとっては敗戦不平等条約となった南京条約締結により、イギリスは、上海など5港の開港と、香港島を割譲。 その後九龍半島南部、最終的には深圳以南までの九龍半島全域を租借し、香港の植民地経営を開始していきました。

 

 

イギリスの統治が始まった1800年代半ばの香港は、大部分が小さな漁村や農村が点在する田園地帯。 市街地と言える場所は香港島の一部だけで、華南貿易基地として香港が発展する為には、インフラ整備に加え、商業地としてもPRする必要があったのです。

1800年代後半には、九龍半島先端チムサーチョイ (Tsim Sha Tsui/尖沙咀) に、香港島を結ぶスターフェリーが開通。 フェリー乗り場のすぐ前には、中国大陸とを結ぶ鉄道駅も完成

また、埠頭にはヨーロッパからの大型蒸気船も停泊するなど、九龍サイドは、田舎の雰囲気が残りつつも、目覚ましい発展の基礎が急ピッチで進められていったのです

 

その頃、香港の官庁、商社、証券会社のほとんどは、香港島に集まっていました。 しかし、陸と海の両玄関口がある九龍半島こそ、ホテルを建設するに相応しいと考えた人物がいました。

アヘン密売で莫大な富を築いたサッスーン財閥による極東開発計画で、アヘン戦争後にインドのボンベイから上海に本拠地を移し、上海サッスーン商会を設立した人物。 ユダヤ系イラク人の、カドゥーリー兄弟 (Ellis Kadoorie & Elly Kadoorie) です。

香港上海大酒店有限公司「The Hongkong and Shanghai Hotels Ltd.」創業者である彼らは、「スエズ運河より東で最高のホテルを建てる」というミッションのもと、香港でのホテル建設に着手します。

 

それが、ザ・ペニンシュラ香港だったのです

 

当時としては巨費の200万ドルという費用と、第一次世界大戦の混沌とした中での7年の歳月を費やし、ついに1928年12月11日、開業を迎えます。

香港とともに、ザ・ペニンシュラ香港の歴史が幕を開けたのです

 

館内に一歩入るとそこは、建物周辺の雑踏とはまるで別世界の、優雅な空間が広がります。

 

2フロア分の高い天井や支柱には、ネオクラッシック様式の彫刻が細部にまで施され、とてもエレガント。

 

華やかなでクラシカルな社交場としての雰囲気を損なわぬように、コンシェルジュやレセプションは、少し奥まった目立たぬ場所に配置されているという配慮も、超一流ホテルならでは

 

ザ・ペニンシュラ香港。

このホテルを訪れる度に、東西の歴史に翻弄されながらも、ダイナミックに美しく生き延びてきた香港という街や香港人のことを、つい想わずにはいられないのです

JUN