香港STYLE Vol.19 ヴィクトリア・ピークから⓵ (2018.05.12)

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香港からこんにちは

異文化が出会い、相乗効果で繁栄を続ける香港。 新しいだけでも古いだけでもない、温故知新のワンダーランド。

東洋も西洋も、ハイもローも、モダンもクラッシックも、ポップもエレガンスも、いつも大胆。

そんな香港、世界3大夜景の一つにもなっている「香港100万ドルの夜景」。

 

ヴィクトリアハーバーを挟んで香港島と九龍半島に広がる有名なこの夜景。 きっと誰しもどこかで一度はご覧になったことがあるでしょう

 

街の騒音や熱気が、高い太陽の下でビルの隙間から湯気のように立ち昇る昼間。 夕焼けに照らされたガラス張りの高層ビル群が、ハーバーの水面に反射して黄金に輝く夕方。 スッキリと晴れた夜空の下で、色とりどりのカラーダイヤモンドが輝いているかのような摩天楼の夜景。

香港「100万ドルの夜景」は、時間帯によってもそれぞれ違った表情を見せてくれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

摩天楼の景色は、いつ見ても躍動的でダイナミック。 大胆で自由で明確な表現を好む、まるで香港人そのもの。

そんな、香港を圧倒的な迫力で感じられる場所、それが「ヴィクトリア・ピーク」です。

広東語で、山頂 (サーンデン)。 英語で The Peak。

 

ヴィクトリア・ハーバーと香港の中心部を見下ろす、香港島で一番高い山、標高552メートルのヴィクトリア・ピーク。

この山全体は大平山 (タイピンサン) といい、山頂 (ヴィクトリア・ピーク) は、太平山の実際の頂上から少し下がったギャップ部分にあります。

 

19世紀初頭には、香港の港に入ってくる貨物船にとって、香港到着を確認する目印としての役割を担っていたヴィクトリア・ピーク。

1868年頃、当時の香港総督 Sir Richard MacDonnell (サー・リチャード・マクドネル) が、ピークの幾分か涼しい天候に目をつけ、避暑用の別荘を建設。 その後富裕層が続々と移住するようになったのが、ヴィクトリア・ピークが高級住宅地として知られるようになった始まりでした。

 

 

亜熱帯性気候特有の蒸し暑さに慣れていない英国やヨーロッパの上流階級の人々にとって、高温多湿の香港の暑さを少しでもしのげる、絶好の避暑地として開発されていったのです。

当時の香港の上流階級とは、商社、商船、金融事業に関わる羽振りのいい外国人か、宗主国イギリスから派遣される英領香港政府の役人達、各国政府の外交官達でした。

 

 

 

さらに1904年には、ヴィクトリア・ピークでの居住権が、外国からの使節や実業家のみの特権とされ、このエリアのステイタスはますます高まっていきました。

当時の香港住民の殆どは、小さく点在する漁村、農村で生計を立てていた頃。 香港人で貿易や金融業などに携わる裕福な実業家はまだおらず、実質的にヴィクトリア・ピークは特権階級による外国人専用居住区だったわけです。

そして、地元住民の香港人にはピークの居住を認めないという条例まで作られ、彼らは、英総督の許可なしにこのエリアに入ることすらもできなかったそうです。

表向きは、その頃世界的に流行した疫病ペストから身を守るという名目でしたが、実際には植民地政府による地元住民への人種的、社会的隔離という側面もあったのだとか。

さすがにこの制度は40年以上施行された後、1947年に廃止されましたが、その後もピークは香港を代表する超高級住宅地として、そこに居住する社会的ステイタスは高く、それに伴い不動産取引き額は現在もヒートアップ

昨年秋には、ピークの高級マンション The Mount Nicholson が一戸約167億円で売却され、購入者は香港人というだけで名前は明かされませんでしたが、同人物が数戸同時に購入し話題にもなりました

 

ピークだけでなく近年の香港の不動産価格は、一平方フィート当たりアジア最高額を記録し続けており、現在も元気に更新中です

 

 

当時を彷彿とさせるコロニアルスタイルの大邸宅や、ヴィクトリア・ハーバーを全方向見渡せる場所に万全のセキュリティや贅沢な最新設備を備えた低層建築の豪華マンションなど、緑豊かな太平山に点在するピークの家々は、風水の点からも最高の場所。

ピークは、九龍半島から南シナ海に抜ける龍の通り道とされていて、「龍が通る」すなわち、富が流れる=循環する、と言われています。

 

 

 

 

 

激動の歴史に翻弄され不条理な環境下にありながらも、賢く逞しくしなやかに生き延び、見事な繁栄を遂げてきた香港。

富にモノを言わせ、贅の限りを尽くした都市は世界中にいくつかありますが、香港がそのどれとも圧倒的に違うのは、街の成熟度のような気がします。

香港を支えてきた香港人の知性と愛嬌、冷静な勇気と大胆な行動力。 100万ドルの夜景の煌めきは、それら無くしてはもしかしたら存在しなかったのかもしれません。

そんなことを想いながら次回は、さっそくピークに登ってご案内しますね。  どうぞお楽しみに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

JUN

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